「以前、ミネソタ州のセントポール・セインツ(独立リーグの野球チーム)を視察した。すぐ近くにメジャーのツインズがあるのに、毎試合、満員近くのファンが集まる。年間約40万人の観客動員するのにはやっぱり理由があった。イベント盛りだくさんでまったく飽きさせない。仮に大差がついて試合がつまらなくても球場が面白い。セインツを見ると、まだまだやれることはあると思う」

「二軍でそこまで、という声もあったけどアメリカ製大型ビジョン導入。スタンド内に畑を作ったり、ハード面にこだわってきた。加えてここからはソフト部分でもいろいろやりたい。クローズドサーキットや映画開催は継続したい。今年はスコアの付け方教室なんてのもやりますから」

「お客さんが集まれば選手も精一杯プレーする。そこには熱が生まれる。なんでも下からしっかり温めないと熱は全体に伝わらない、とよく言われる。野球チームもそうだと思う。二軍がしっかり熱い熱を持っていれば、全体にそれが波及する。そう思って鎌ヶ谷をもっともっと盛り上げたい」

 最後に、中原氏が語っていると、そこへ鎌ヶ谷伝説の男・DJチャスが現れた。

「うぃーっす。これからも鎌ヶ谷はいろいろやって頑張るから、ぜひ足をはこんでくれよ」

 DJチャスはNPBアウォーズ2018で球団功労賞も受賞した名物キャラであり、実は中原氏の分身でもある。竹刀片手に場内を盛り上げるチャスにも会えるファイターズタウン鎌ヶ谷。球団通してさまざまなことに挑戦する姿勢は、確実にファイターズのパワーに変わっている。(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍やホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を不定期に更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。