エミさんは、この言葉を本気で信じてしまい、天に向かって「神様、私にぴったりの、心から愛し合える恋人をありがとう! 偽物はいりません」と祈った、恋人もいないのに。そして、同時に思ったという。

「仕事は十分やった。お金もある。でも何かが足りない。そうだ、私には男の人が足りない。ある男性が死ぬとき、『あの女、いい女だったな』って、私を思い出してくれる人がこの世に1人もいないなんて。私は男の人と心から愛し合った経験をしないまま棺桶に入ってしまっていいのかって」

 エミさんは、棺桶にまさに片足を突っ込んだ自分自身のイラストを描きながら、熱く語った。

「このままでは死んでも死にきれない。こんな人生絶対イヤだ。結婚という形でなくてもいいから、男性と心からに愛し合える体験をしないまま死にたくない、って強く思ったんです」

 そんなことがあった1週間後に、男性からの誘い。偶然とはいえ、エミさんが不思議体験と思うのは無理もなかった。(取材・文/時政美由紀)

時政美由紀(ときまさみゆき)
(株)マッチボックス代表。出版社勤務後、フリー編集者に。暮らし、食、健康などの実用書の企画、編集を多数手がけている

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