日本代表がコロンビア・ボリビアに挑んだ3月2連戦明けの週末。欧州ではリーグ戦が再開され、吉田麻也(サウサンプトン)、昌子源(トゥールーズ)、冨安健洋(シントトロイデン)という欧州組センターバック陣が先発フル出場を果たした。
とりわけインパクトが強かったのが、パリサンジェルマンと初対決となった昌子だ。
「パリだからといって、チャレンジしなかったらフランスに行った意味がない。安パイなプレーをしていてもしょうがない」と代表期間に語っていた通り、彼は世界最高レベルのチームに積極果敢に挑むつもりだった。
ブラジル代表のネイマールやダニエウ・アウヴェス、ウルグアイ代表のエディンソン・カバーニ、アルゼンチン代表のアンヘル・ディマリアといった各国代表エース級の選手が軒並み欠場し、超一流と言えるのは20歳のフランス代表FWキリアン・ムバッペくらいだったが、新世代のスターの凄さを昌子はまざまざと体感させられることになった。
立ち上がりは慎重な入りを見せ、前半の相手得点シーンもVAR判定で取り消しになるなど、無失点で耐えていたトゥールーズ。だが、後半29分にワンチャンスで叩き込まれてしまう。右からのクロスをムバッペは右足で軽くコントロールして瞬く間にボレー。その速さと正確さには昌子も「人間ができる加速じゃない」と語ったというから、どれだけ驚いたか分かるだろう。こういった世界最高峰を日々体感できる環境に行ったことは、彼のみならず、日本サッカー界全体の収穫だ。
吉田はイングランドで8シーズン目を過ごし、昌子は欧州5大リーグに参戦。20歳の冨安も今夏にはトップリーグへの飛躍が有力視されている。「今の日本代表を見ると、2列目アタッカー陣の次に選手層が厚い」と評されるほど、センターバックは人材豊富になりつつある。
「麻也君やトミはもちろんいますし、3月に呼ばれた弦太(三浦=G大阪)や槙之輔(畠中=横浜FM)もいい選手。欧州にはナオ(植田直通=セルクル・ブルージュ)もいる。僕は鹿島アントラーズでナオと一緒にやっていて、実力はよく分かっている。それにU-23世代には板倉(滉=フローニンゲン)君や中山(雄太=ズヴォレ)君もいて、彼らもいつこっち(A代表)に来てもおかしくない状態にいると思う。僕もロシアワールドカップに出たからって一歩リードしているって思いは全然ないですね」と昌子も危機感を募らせるほどだ。