人生経験を積み、その頃にはすっかりスピリチュアルなものに頼ることもなくなっていた橋本さん。
「彼はその頃、新しい仕事を始めていて、私はその仕事を応援したいと思いました。正直、借入もしているし、その仕事が成功するかどうかわからないけど、『私はあなたの役にきっと立つと思うよ』と強くアピールしたんです。それに、5歳年下というのも気に入って。ここは譲れなかったんですね(笑)」
■入籍までの長い道のりは自分のための時間
50歳にして、この人となら、という男性を見つけた。すぐにでも結婚したいところだったが……、入籍までに7年かかってしまう。
「仲のいい友人からは『入籍しないの?』って聞かれることもありました。でも『結婚はしないかも』って、さらっと答えていました」
強く望んだ結婚、どうして7年も時間がかかってしまったのだろうか?
「確かに結婚はしたかったです。でも、途中結婚していたとはいえ、10年間は気ままな独身生活。果たして本当にやっていけるのか、自信がまだありませんでした。彼とキャンプに行ったとき、あいにくの雨で、狭いテントの中で2日間過ごしたんです。楽しいはずのお泊りだったのに、キャンプの間中、ずーっと細かく頭痛がしていました。そんなことがあって、『まだ結婚の準備が整っていないんだ』と気づいたんですね。自由きままに暮らしてきた私には、他人と一緒に暮らすための準備期間が必要でした」
旅行などの泊りはあっても、彼が橋本さんの自宅に泊まるということはなかった。家の近所で食事をしたり、飲んだりしても、それが崩れることはなかったと言う。そこまで線を引いたのは、お泊りが当たり前になってしまうと、半同棲のようになってしまい、結婚する意味もなくなってしまうのではないかと思ったからだ。
どれくらいの年数かはわからないが、橋本さんにとって時間が必要だった。
「それにすぐに結婚していたら、もしかしたらずっと一緒はイヤだなって思ったかもしれませんね。うまくいっていなかったかもしれない。今はもちろんストレスは感じません。それは、自分が時間をかけて変わることができたからかもしれませんね」