■彼の人生を受け入れて、彼を幸せにしたい!
彼の仕事も徐々に軌道に乗り、こんな自分でも役に立てたんじゃないかと思えるようになった。
1年一緒に暮らして、「籍を入れよう」と彼がプロポーズをしてくれた。
「プロポーズは向こうからでしたが、私も責任を取らなきゃって思っていました。だから『はい、籍を入れましょう』と。彼の仕事を成功させ、彼の人生をまるごと受け入れて、彼を幸せにしよう、そう覚悟していました」
どうしようもない自分の人生を変えたい。でもそれはいつも他力本願だった。今は、「私が彼を幸せにしたい!」と心から思えるようになっていた。
つき合ってから7年、橋本さんは入籍。
「友人に『結婚はしないかな』って言っていたのは、そんな理由です。でも入籍して、本当に気持ちが安定しました。これほど違うとは自分でも驚いています。名刺をすぐに変えたのも、やっぱりうれしかったから。今までは社会という“パズル”にはまっていないって思っていたけど、同棲でなく、きちんと入籍して夫婦になり、はじめて“ペアのピース”としてカチッとはまったという感じです」
■長い時間をかけてようやく得た心の安定
「私の人生、ずいぶん遠回りをしました。まあでも、これが私ですから仕方がありませんね。いつも考え過ぎて……、“まじめ”かも(笑)」
結婚について深く考えなくても、すんなりできて、幸せに暮らせる人もいる。橋本さんは生い立ちが少し複雑で、そのトラウマもあって幸せな結婚をイメージしづらく、二の足を踏んでしまうのではないかと、自分を分析した。
「長い間スピリチュアルな世界にはまってしまい、そこからはようやく抜け出しましたが、現実を見ずにどこかふわふわしていて、よく言えばドラマチック。でも、友人や身内が本気で投げかけてくれる言葉で我に返って、本当にありがたいことです」
今は都内のタワーマンションに住み、平和な結婚生活の日々。
「タワーマンションといっても賃貸です。主人の仕事はとりあえず順調ですが、私も仕事をきちんとやっていかないといけないと思ってます。主人にはもちろん、人の役に立つ生産性のある人間でいたいなって。できれば死ぬまで(笑)」