桜前線が北上し、春爛漫の日和も増えてきた。4月からの新しいスタートを前に心をはずませている人も多いだろう。一方、来春に受験に挑む高校生や、志望校に落ちた浪人生にとっては過酷な1年の始まりでもある。
そのなか、2013年に出版されてベストセラーになったノンフィクション『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大に現役合格した話』(坪田信貴・著、以下『ビリギャル』)のモデルとなった小林さやかさん(31)が今月、自身初となる著書『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』(マガジンハウス)を刊行した。
まったく勉強していなかったビリギャルは、なぜ、慶應大に逆転合格できたのか。そして、なぜ今、この本を書こうと思ったのか。受験テクニックでは得ることのできない、小林さん流の「慶應大に受かる方法」を聞いた。
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──大学受験では、慶應大を目指して1日15時間勉強をしたそうですね。
本当に「死ぬ気」で頑張りました。私の場合、高校2年の夏までまったく勉強してなかったので、「慶應大を目指す」と言ったら、学校の先生にもバカにされて。でも、若かったから「見返してやる!」というエネルギーがメチャクチャ沸いてきたんですよね。若いってすごいなと思います。何度も途中でやめようと思ったけど、最後までやり切ることができました。あの努力は、31歳になった今の私にはとてもできません。
──新著の帯には「死ぬ気でやって、よかったよ。」というコピーが大きく書かれています。
このことは、本を書くにあたって後輩たちに伝えたかったことの一つなんです。
私が慶應大を目指して勉強している時、通っていた塾の坪田信貴先生(『ビリギャル』の著者)からこんなことを言われました。
「さやかちゃんが慶應に受かったら、みんな『もともと頭が良かったんだね』って言うと思う。反対に受からなかったら『ほら、どうせ無理って言ったじゃん』って言うんだよ」って。