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「否定的な発言ばかりする人」「なんだか感じが悪い人」という印象を与えてしまう言葉があります。「でも」です。つい使いがちな言葉ではありますが、「でも」を使わないことで、人柄の印象までがらりと変えられると、人気ラジオDJの秀島史香さんは言います。秀島さんが自著『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』の中で明かした、「でも」を上手に別の言葉に置き換える方法をご紹介します。
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新生活がスタートする季節になりました。春は、新しい出会いがたくさん待っていて、ワクワクすると同時に、「仲良くなれるかな」「うまくやれるかな」と不安な気持ちや緊張感も高まります。
それは、きっと相手も同じ。だからこそ、出会って間もないころの会話で、相手が「気持ちいいな」と感じてくれたら、それは、いい関係を築く第一歩になります。
私は、ラジオ番組などで、これまで、たくさんの方のインタビューをしてきましたが、「この人と話すとすごく気持ちいいな」と思う方の共通点を探っていくと、思い当たることがあります。
それは、こちらが投げかける質問の答えが「はい」から始まることです。
たとえば、こんなやりとりがあったとします。
「Aさんって、カバンの中にいつも本が入ってますよね。読書家ですよね」
「はい、なかなか読む時間がないんですけどね」
こちらでは、どうでしょう。
「Aさんって、カバンの中にいつも本が入ってますよね。読書家ですよね」
「でも、なかなか読む時間がないんですけどね」
自分の質問に対して、答える側の第一声が「はい」だと、聴感上、まずはこちらの発言を受け入れてくれた印象となります。「はい」と答えると、全体的なトーンが明るく前向きになるのに対して、「でも」は照れ隠しでつい口から出たとしても、その後の内容も不満、愚痴のような印象が強くなります。
私を含めて、口癖で「でも」と言ってしまう人は意外とたくさんいます。しかも、「but」の文脈でもないのに、単なる接続語として「でも」や「けど」を選んでしまう。無意識で言っていると、「そんな一言で…」と思うかもしれませんが、言われる側になってみると、「でも」は言われ続けるとジワジワ疲れてきます。