日本への旅行には最近、環境が整ってきました。イスラエル人はユダヤ教信者が多いのですが、東京、京都、神戸にユダヤ教の教会であるシナゴークができて、お祈りがしやすくなりました。またユダヤ教徒には、コーシャと呼ばれる食事規定があります。豚肉、エビ、タコ、イカなどが制限されています。イスラム教にも同じような食事規定がありますが、最近の日本では対応した料理を出すレストランも増えてきました。今年9月には、成田-テルアビブ(ベン・グリオン空港)を結ぶ直行便も開設さる予定です。これまでは、欧州各都市、アジアを経由して20時間近くかかっていましたが、これからは13時間で行けます。楽になりますね。
国外に行くことはそんなに大事でしょうか。外に出れば、その国と人々との絆が強くなります。自分の国の文化にも敬意を払うようになるでしょう。実際、私は日本に旅行した経験で日本を研究しようと決心しました。自分の人生の大きな部分は日本という国が作っています。今、イスラエルには年間約2万人の日本人が観光にきています。この日本人についてはこれから書いていきたいと思います。
○Nissim Otmazgin(ニシム・オトマズキン)/国立ヘブライ大学教授、同大東アジア学科学科長。トルーマン研究所所長。1996年、東洋言語学院(東京都)にて言語文化学を学ぶ。2000年エルサレム・ヘブライ大にて政治学および東アジア地域学を修了。07年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士号を取得。同年10月、アジア地域の社会文化に関する優秀な論文に送られる第6回井植記念「アジア太平洋研究賞」を受賞。12年エルサレム・ヘブライ大学学長賞を受賞。研究分野は「日本政治と外交関係」「アジアにおける日本の文化外交」など。京都をこよなく愛している。