■神戸 B

 元スペイン代表FWのダビド・ビジャ(←ニューヨーク・シティ)を筆頭に攻撃センスの高い右サイドバックの西大伍(←鹿島)、左右のサイドをこなせる初瀬亮(←G大阪)、元神戸のウエスクレイ(セアラー)など、攻撃面から見ればSに近いAと評価できるが、守備とのバランスがやや心配になる補強路線ではある。フロントもセンターバックの実力者を補強リストに入れていたとは思うが、現状は既存戦力の奮起に期待するしかない。

 山口蛍(←C大阪)の加入は攻守にプラス効果をもたらしうるが、洗練されたパスワークで崩すスタイルを進めるリージョ監督のもとでイニエスタらとのコンビネーションを早期に高められるかが成否の鍵になりそう。そこがうまく噛み合わないと、優勝どころか再び残留争いに巻き込まれる危険もある。ただ、リージョ監督のロジカルな指導は若手なども大いに刺激しているようで、下部組織から昇格の小林友希を含む既存戦力からブレイクする選手が出てくる期待も大いにある。

■広島 C

 選手層としてもオプションとしても不安だったポジションにタイプの異なるタレントが加わり、質量ともに昨年よりアップしている。ただ、主力選手の平均年齢も1歳上がっているため、そこの兼ね合いがどう出るかはシーズンの流れをチェックしていく必要はある。MF野津田岳人(←仙台)やDF高橋壮也(←岡山)、FW皆川佑介(←本)が外で積んだ経験をどう還元できるかは興味深いポイントだ。

 加えて確実に戦力アップに貢献しそうなのが清水航平(←清水)と井林章(←東京V)で、守備の力強さと攻撃のクオリティ両面に効果がありそうだ。面白い戦力は新外国人のエミル・サロモンソン(←ヨーテボリ)。日本にはあまりいないタイプの長身右サイドバックで、センターバックとして起用できなくもないが、右サイドでフィットすれば広島が再び優勝争いに参戦できる起爆剤にもなりうる。昨年2種登録されていたユース上がりのMF東俊希は純粋な新戦力ではないが、高精度のクロスとミドルシュートを持ち、U-19アジア選手権で世界行きの切符を勝ち取った立役者の一人。今季も大きく伸びれば一気に広島の看板選手になる可能性も。

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鳥栖、大分の評価は?