深田恭子 (c)朝日新聞社
深田恭子 (c)朝日新聞社

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■F1層のハートをしっかり鷲掴み

 女優・深田恭子(36)の女性人気が、ここにきて急上昇している。1996年にホリプロスカウトキャラバンで2万人近い応募者の中からグランプリを受賞。1998年に放送された「神様、もう少しだけ」(フジテレビ)でHIVに感染する女子高生を演じると、瞬く間にブレイク。以後、コンスタントに主演作を量産しながら現在に至る。

 キャリア20年強の人気女優でありながら、「意外と代表作がない」と言われがちな女優であることも事実なのだが、現在放送中の連続ドラマ「初めて恋をした日に読む話」(TBS系、以下「はじこい」)では、「受験就職、恋愛となにもかもうまくいかなかったドジなアラサー女子役」を好演。SNS上では「やっぱり深キョンはかわいい」「ドン臭い深キョンはやたらリアル」「この役は深キョンにしかできない」など、女性視聴者から大絶賛ツイートが殺到しているのだ。

 民放ドラマ制作スタッフは次のように語る。

「深キョンの芝居は彼女にしかできない独特な間合いやセリフ回しなので、ちょっとドジな役をやらせたら右に出るものはいません。今回の『はじこい』は東大受験に失敗した過去を持ち、厳しい親と同居しながら職場の三流予備校でも居場所がなく、本気の恋愛もしたことがないという役柄。『親との確執』『仕事の悩み』『本気の恋』と、ドラマ業界で最も重要視されるF1層(20~34歳の女性)に広く訴求できる題材なんです。この手の役が得意な女優としては綾瀬はるか(33)や石原さとみ(32)がいますが、より天然でドジなテイストにリアリティーを求めるならば、深キョン一択というのがドラマ業界のセオリーになりつつあります」

 とはいえ、深田も今や36歳。同じ年齢の女優に目を向けると、加藤あい(36)、吹石一恵(36)、真木よう子(36)など結婚離婚が女優としてのキャリアに影響を与えがちな年齢ともいえる。だが、深田は20年もコンスタントに女優業を続けながら、F1層のハートをしっかり鷲掴みにしているのだ。

「ある意味、ストイックですよね。これだけの美貌を持ちながら独身を貫くその姿に、同年代の独身女性は自分を重ねたくなるのかもしれません。『深キョンも独身なんだから、私が結婚できなくてもまだ大丈夫』と心の保険になってるというか(笑)。とにかく、30代女性で深キョンを悪くいう人は皆無ですよ。今後もアラサー女子の悲哀や恋愛を描いた物語は多数作られていくと思いますが、今は深キョン、綾瀬はるか、石原さとみのホリプロ三銃士が席巻しています。それぐらい、いまのホリプロ女優は層が厚い。少し前だと中谷美紀(43)、竹内結子(38)、柴咲コウ(37)、北川景子(32)らスターダスト勢(中谷は2015年に独立)が強かったのですが、今後しばらくはホリプロ女優の天下が続くでしょう」(前出のドラマ制作スタッフ)


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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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