――次の夢は。

 いろいろありますけれど……。レスリング一筋でここまできたので、レスリング以外のこともやっていきたいという思いは強いです。また、女性としての幸せを絶対につかみたいと思っています。来年の東京オリンピックでも、自国開催ということで盛り上げていけたらいいなという思いも強いです。

――東京オリンピックではどのように。

 今、オリンピックに向けて全日本もコーチ、選手たちが頑張っています。私も精神的な支えになったらいいなと思っています。

――吉田沙保里選手にとってレスリングとは。

 人生の一つですね。レスリングがなければここまでこれなかったし、こうしてたくさんの方に会えることもありませんでした。レスリングを通していろんな方に出会えた。レスリングのおかげだと思っています。

――オリンピックに向けて頑張っている選手の支えにとのことですが、今後は指導者としての道をどのようにお考えですか。

 コーチもたくさんいますので、その中でも、精神的な支えをできたらいいかなと思っています。

――ナショナルコーチは続けられるのでしょうか。

 はい。続けていきます。

――全日本のセコンドに入ってほしいという声も聞かれますが。

 コーチとして、私は経験が全然なくて、今まで頑張ってこられたコーチもいますし、迷惑をかけない程度に協力できればと思っています。

――最後のオリンピックで戦った相手は吉田選手に憧れを持つヘレン・マルーリス選手ですが、どのような印象でしょうか。東京オリンピックでは「打倒ヘレン」で後輩の方も戦うのかなと思いますが、いかがですか。

 ヘレン選手とはリオの決勝に当たる前から何度かやっています。それまでは、私のアテネの戦いを見て「私が吉田沙保里を倒す」と目標にしていたとマスコミの方から聞いていました。私は「絶対倒されないぞ」と思っていましたが、リオの決勝戦で4年ぶりに戦って、それまでは大差で勝っていたので「ヘレンが決勝に上がってきた」と思っていましたが、組んだときの圧力も本当にすごくて、ヘレンの方が勝ちたい気持ちが強かったのかなと思いました。本当に素晴らしい選手で、強くなったなと感じました。東京オリンピックに向けてまたヘレン選手も出てくると思います。やっぱり日本選手に勝ってほしいという気持ちはありますね。どういう戦いを見せてくれるか、すごく楽しみにしています。

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レスリング選手以外で刺激を受けた人は?