しかし、成績が落ち込んだ昨季はシーズン終了後に、ぜいたく税回避を目的としたトレードでブレーブスへ移籍した直後に戦力外通告。メッツで再起を図った今季は、54試合で6本塁打にとどまって6月には契約解除に。その後はどの球団にも所属しなかった。報道によると今オフはメジャー復帰を最優先するものの、それが難しいようなら来日も視野に入れているとのこと。実兄のエドガー・ゴンザレスはかつて巨人でプレー経験があり、自身もメキシコ代表として日本に来たことがある。来年5月で37歳ではあるが、日本でもうひと花を咲かせる力は残しているかもしれない。

 ゴンザレス同様に今季途中にメジャーの舞台から姿を消した大物といえば、メジャー通算269本塁打、281盗塁のハンリー・ラミレスも当てはまる。マーリンズ時代に新人王、首位打者を獲得し、ドジャースを経て移籍したレッドソックスでは2016年に30本塁打、111打点と活躍。しかし徐々に成績は下降し、今季は44試合の出場で6本塁打のみ。5月途中に戦力外通告となった。

 確かに、今年12月で35歳となるラミレスのここ数年の成績は物足りなかったが、この戦力外には打席数に応じて自動更新される来季契約を回避するためとの見方も。シーズン中はメジャー球団と契約しなかったラミレスだが、オフには故郷のドミニカ共和国でウィンターリーグに参加しているように現役続行の意思はあると思われる。

 過去に球宴5度選出のアンドリュー・ジョーンズが楽天に移籍したように、野手は実績のある選手が来る余地があるが、投手はメジャーでも需要が高いため、大物の来日実現はなかなか難しい。やはり「ワケあり物件」が目の付け所となる。

 そこで注目したいのが、過去に来日の可能性も報じられたティム・リンスカムだ。ジャイアンツ時代の2008年と2009年に2年連続でナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝くなど、かつてはメジャーを代表する投手の一人だった。

 ただし、全盛期と呼べる期間は短く、30歳を迎える前から成績が急下降。2016年にエンゼルスで2勝6敗、防御率9.16と散々な結果に終わったのがメジャーでの最後のプレーとなった。1年間のブランクを経てレンジャーズと契約した今季は3Aで10試合にリリーフして防御率5点台と結果を出せず6月に退団した。古巣のジャイアンツが手を差し伸べるかもしれないとの報道もあったが、結局はそのまま今季終了を迎えている。本人に現役続行の意向があるかが、最大のネックかもしれない。

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通算437セーブの右腕も声がかかれば…