■「年下の不倫イケメン」というイメージは今や皆無

 加えて、「撮影現場で自ら一般の方と交渉したことも……」と言うのはスポーツ紙の芸能担当記者だ。

「映画で共演した門脇麦(26)がWEBマガジンで明かしていましたが、撮影現場の近くにトイレがない時があったそうです。すると、長谷川自らその地域にあった美容室に行って交渉し、トイレを借りることができたとか。まさに、スタッフのような仕事もこなしていたわけですが、控えめかつ番組全体のことを考える姿勢など、裏方さんのように広い視野で客観的に物事を見ていると思いますよ。だからこそ、エキセントリックな役もやり過ぎずに演じ切れ、それが役者としての高評価に繋がっているのではないでしょうか」

 芸能リポーターの川内天子氏は、俳優としての長谷川をこう評価する。

「長谷川さんは舞台出身ですが、そのわりに個性を売りにせず、逆に個性を消してどんな役にもハマってしまう。舞台出身で40代といえば阿部サダヲ(48)やムロツヨシ(42)など個性的な俳優が多いなか、長谷川さんの存在は稀有でしょう。長谷川さんを有名にした、鈴木京香さん(50)主演のドラマ『セカンドヴァージン』(NHK/2010年)で、イケメンの年下の不倫相手を演じましたが、そのイメージも今ではほとんどない。昨年、『GQ MEN OF THE YEAR 2017』に選ばれたときのスピーチで、正義感の強い役ばかり続いたがイメージは定着するのは嫌という趣旨の発言がありましたが、本人もいろんな役をやりたいという強い思いがあるのでしょう」

 2020年には、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」での主演が控えている長谷川。謀反を起こした反逆者という印象が強い明智光秀役で、どんな狂気を見せてくれるのか今から楽しみだ。(ライター・丸山ひろし)

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