今月25日に開かれるプロ野球ドラフト会議。今年も大阪桐蔭・根尾昂や金足農・吉田輝星をはじめ、球界の未来を担う逸材が揃っている。では、いったい各球団はどんな選手を獲得すればいいだろうか。野球ライターの西尾典文氏に過去の傾向も踏まえて、12球団の「おすすめ選手」を分析してもらった。今回は今季セ・リーグ3位の読売ジャイアンツだ。
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シーズン最終盤に何とか3位に滑り込んだものの、チームワーストタイとなる4年連続で優勝を逃し、高橋由伸監督も辞任することとなった巨人。FAと他球団で活躍した外国人を中心にしたチーム作りも限界が来ており、ドラフト戦略も見直す時期に差し掛かっている。
・過去10年支配下指名選手内訳
高校生投手:13人(主力:1人 戦力:3人)
高校生野手:9人(主力:1人 戦力:2人)
大学生・社会人投手:20人(主力:2人 戦力:8人)
大学生・社会人野手:16人(主力:2人 戦力:5人)
・過去10年上位指名選手内訳
高校生投手:4人(主力:0人 戦力:2人)
高校生野手:4人(主力:1人 戦力:1人)
大学生・社会人投手:6人(主力:2人 戦力:2人)
大学生・社会人野手:6人(主力:2人 戦力:2人)
・過去10年育成指名選手内訳
高校生投手:8人(主力:0人 戦力:0人)
高校生野手:8人(主力:0人 戦力:0人)
大学生・社会人投手:19人(主力:0人 戦力:1人)
大学生・社会人野手:19人(主力:0人 戦力:0人)
投手と野手、高校生と大学生・社会人、どちらにおいても上位はバランスのとれた指名となっている。投手では菅野智之と沢村拓一、野手では長野久義と小林誠司が期待通りに即戦力として機能し、なかなか選手の出てこなかった高校卒も岡本和真が今年大ブレイクしたことが非常に大きい。上位指名がしっかりと主力になっていることはスカウティングが機能している証拠だが、その一方で下位指名から主力になった選手は田口麗斗だけというのが寂しい印象を受ける。
特に高校生の投手は、獲得した人数の割に戦力になった数が少ない。毎年のように他球団から選手を獲得しているという影響は大きいが、この部分が現在の菅野頼みと先発陣に繋がっていると言えるだろう。また、育成選手から支配下登録される選手はそれなりに出ているが、一軍の戦力となった事例はこの10年ではほとんど見られない。ここも大きな問題点として認識しておくべきだろう。