映画「食べる女」に前田敦子が出るので見にいった。左利きの前田あっちゃんの「食べる」シーンが大好きだからだ。
【写真】もう見られない?AKB48のステージで大島優子とセンター復活を果たした前田敦子
「小泉今日子、鈴木京香、沢尻エリカ、前田敦子他豪華女優陣」による、ちょっとヒリヒリする大人なファンタジーだった。「女子」ではなく「女」たちが、悩み恋愛しセックスする。彼女たちの中心には、小泉演じる敦子(とんこ)がいる。料理上手な古書店主兼文筆家。エンドロールに入る直前、彼女の声が流れる。
「新しい一歩を踏み出すパワーをくれるのは、おいしいご飯と愛しいセックスだ。おいしい女になって、自分を味わいつくしてみよう。誰のものでもないあなたの人生だから。だから、手抜きをするな、女たちよ」
全体を貫くテーマ。前向きかつ真っ当。
そう、これが問題だった。前田が演じたのも、真っ当な女性。制作会社のアシスタントプロデューサーとして忙しく働き、恋人もいる。でももっと「本気の恋」がしたいと悩む。
うーん。萌えない。
前向きでない役のあっちゃんが好きなのだ。後ろ向きなあっちゃんが食べるシーンって、サイコー。
その前に、昨今の話題を。「食べる女」には、勝地涼が出演している。前田と仲良しのゲイの小学校の先生役。事前情報なしで行ったので、個人的にはサプライズ。
あっちゃん、おめでとー。勝地さんは朝ドラ「あまちゃん」で有名になったけど、私はその前から、蜷川幸雄とか劇団☆新感線とかの舞台で見てましたよー。
心の中で勝手に祝福しながら、前田&勝地のシーンを鑑賞。
と、ここからが本題だが、出産後の前田が楽しみかつ心配だ。
新たな境地でますますよい女優になることを期待しつつ、最新ニュースが引っかかるのだ。「こども写真館スタジオマリオ」の新CMキャラクターに就任、そのイベントが妊娠発表後の初の公の場だったという。小さな子どもを気遣う姿に、「ママタレへの準備万端」という記事もあった。
えっ、ママタレ?
それはまずい。ママのイメージ優先になり、「前向きかつ真っ当」な役ばかりになってしまう。それでは、女優前田敦子の魅力が半減だ。大声で、こう叫びたい。