水漏れに大赤字で2度の移転も… 3年連続ミシュラン獲得ラーメン屋店主の壮絶人生 (1/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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水漏れに大赤字で2度の移転も… 3年連続ミシュラン獲得ラーメン屋店主の壮絶人生

連載「ラーメン名店クロニクル」

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「特製醤油 大盛」。ボリュームがあるラーメンは単身者にも好評だ(筆者撮影)

「特製醤油 大盛」。ボリュームがあるラーメンは単身者にも好評だ(筆者撮影)

 日本に数多くあるラーメン店の中でも、屈指の名店と呼ばれる店がある。そんな名店と、名店店主が愛する一杯を紹介する本連載。修業先の「麺」の技術を継承しながらも地元に根ざしたシンプルなラーメンを紡ぎ出す店主の愛する一杯は、孤高の職人が手掛ける東京を代表するワンタンメンだった。

【写真】3年連続ミシュラン獲得!都内屈指のワンタンメンはこちら

■独自配合の小麦を使ったモチモチの極太縮れ麺

 JR東小金井駅の駅ビル「nonowa東小金井」内にある「くじら食堂」は、モチモチの自家製麺が自慢のラーメン店だ。都内の名店「麺や 七彩」出身の店主・下村浩介さん(42)が13年東小金井の路面にオープンし、18年には駅ビル「nonowa東小金井」に移転。さらに人気を伸ばし、中央線エリアの代表的な店として成長を遂げている。
店主の下村浩介さん(筆者撮影)

店主の下村浩介さん(筆者撮影)


 その店名やポップな店内装飾とは裏腹に、昔ながらの直球の醤油ラーメンを提供しているのが特徴だ。シンプルながらも飽きのこない美味しさで、移転前に好評だった麺の増量サービスや季節に合わせた「限定ラーメン」も継続。一見さんや家族連れだけでなく、地元の常連客のニーズも汲み取る。駅ビルという立地だが、サービス内容は個人店に引けを取らない。このクオリティのラーメンが駅直結で食べられるのだから、東小金井に住む人は幸せだ。

 とにかく麺が旨い。独自配合の小麦を使った極太縮れ麺はモチモチとした歯ごたえが格別だ。修行先の「七彩」が麺にこだわる店だったこともあり、下村さんも「七彩」イズムを受け継ぎ、独自の美味しさを追求している。
くじら食堂/東京都小金井市梶野町5-1-1 JR中央線東小金井駅ナカ/【月~土】11:00~15:00、17:00~25:00【日曜祝日】11:00~25:00/筆者撮影

くじら食堂/東京都小金井市梶野町5-1-1 JR中央線東小金井駅ナカ/【月~土】11:00~15:00、17:00~25:00【日曜祝日】11:00~25:00/筆者撮影


 下村さんは、ラーメンに派手さはいらないと考えている。いつ食べても美味しく、地元に愛される気取らない店を目指している。

「ラーメン自体はずっと変わらないでほしいんです。可能な範囲で安い方がいいし、いつでも食べられるものであるべきだと思いますね」(下村さん)

 二号店の進出も視野に入れる。従業員が、家を買えるぐらいの給料を支払える会社に成長することが目標の一つだ。

「小さくても立地の良い場所に出店して、従業員にお店を任せていきたい。最初は『くじら食堂』で始めても、売り上げが安定したら買い取って独立してもらえるような土壌を作りたいなと思っています」(下村さん)

 ラーメン業界は競合が多く、最近では、一からの出店は難しい。弟子の成長とともに独立に導いていきたいという下村さんの親心だ。

 そんな下村さんが愛するのは、孤高のラーメン職人が紡ぎ出す、“ワンタンメン”でミシュランガイド東京に唯一選ばれた名店の一杯である。


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