食材本来の味や香りを感じてもらえるように、味付けはしない。昆布とカツオ節からとった和風だしや、鶏ガラと野菜のスープなどでうまみを引き出した。

 食感やだしの風味が損なわれないように、蒸した後に急速に冷凍。食材の大きさや柔らかさは、月齢に応じて変えている。

 短い時間で調理できるように、真空パックに入った野菜やおかゆ、だしを1食分のセットにまとめ、沸騰したお湯につけて温めるだけで食べられるようにした。

 16年にネットで売り出した。口コミで広がり、百貨店などからも置かせてほしいと声がかかった。伊勢丹新宿店や阪急百貨店うめだ本店などで購入することができる。

 利用者から、「冷凍庫の片隅にこの商品が入っているだけで安心します。ありがとう」という声が寄せられると、「この仕事を始めてよかった」と感じる。

「忙しい時はbebemeshiに頼って、笑顔で赤ちゃんをハグする時間を作ってほしい」

(ライター・浴野朝香)

AERA 2022年10月3日号