なぜ政治家と旧統一教会は結びついたのか? 紀藤正樹弁護士と仲正昌樹教授が語る「切っても切れない関係」

旧統一教会

2022/08/31 07:00

ソウル近郊の加平郡で行われた旧統一教会の合同結婚式/2020年2月(ロイター/アフロ)
ソウル近郊の加平郡で行われた旧統一教会の合同結婚式/2020年2月(ロイター/アフロ)

 大きな社会問題になっている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係。全国霊感商法対策弁護士連絡会で被害者救済に取り組む紀藤正樹弁護士と元信者の仲正昌樹・金沢大学教授が意見を交わした。AERA 2022年9月5日号の記事を紹介する。

【図】旧統一教会をめぐる動きはこちら

*  *  *

仲正:8月に韓国で行われたUPF(天宙平和連合)関連のイベントで、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係が話題になっている安倍晋三元首相の追悼イベントをやっていました。なぜいま、余計疑われるようなことをやるんだと日本の皆さんはいぶかしく感じたと思いますが、旧統一教会にとって「日本にどう思われるかはさほど大事ではない」ことをよく表しています。

 霊感商法や高額献金などの問題の根っこはどこにあるか。旧統一教会にとって最も大事で関心を持つべきことは、教祖を中心に行われている、韓国と米国での教会の摂理を成功させるための活動です。彼らの最終目標は、象徴的には「南北朝鮮統一を文夫妻(創始者の故・文鮮明(ムンソンミョン)氏と現総裁の韓鶴子(ハンハクチャ)氏)の、真の父母の勝利という形で成し遂げる」こと。そのためにはすべてのことを犠牲にして手段を尽くす。それが旧統一教会の発想なんです。信奉者の立場から見れば、自民党の議員も安倍元首相も、おそらく道具にすぎないと思います。

紀藤:重要な指摘だと思います。ただ、その手段が時代によっていろいろと違ってくるんです。「反共」がお金と人を集められるときには「勝共連合」。1991年にソ連が崩壊して冷戦が終わり、「反共」ではなく「平和」がブームになると92年に「世界平和女性連合」を作る。「目的のための手段」だけに、機を見るに敏なんです。

 そして次は地方政治に狙いを定めます。男女共同参画社会基本法が99年に施行され、続いて地方で推進条例を作る動きがありました。それに合わせて旧統一教会は「男らしさ、女らしさは必要なんだ」という運動を展開し、地方政治に深く食い込んでいく。

 ここで旧統一教会は「女性」「家庭」「平和」を前面に押し出せばうまくいく、ということを覚えたんだと思います。その結果、2015年に「世界平和統一家庭連合」に名称を変更するんです。

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