AERA2022年3月21日号より
AERA2022年3月21日号より

■異ジャンルほど面白い

 もう一つ鈴木さんが勧めるVBAエキスパートは、エクセルとアクセスのプログラムを組めるようになる資格。日々の業務ですぐに使うことができる。

 管理職向けには、部下がうつ病になったときの対処法をはじめ、上司が知っておきたい知識が学べるメンタルヘルス・マネジメント検定、組織のモチベーションを高め能率を上げる方策を学ぶ、公認モチベーション・マネジャーがある。

 マンション管理士は管理人向けというより、建て替え、修繕などマンション運営のコンサルティングに役立つ資格。中小企業診断士も仕事への汎用度が高く、ニーズも高い。

 介護系の資格は仕事に生かせるほか、自分の親やパートナーの介護に備える意味もある。リタイア後の人生を豊かにする準備として、世界遺産検定、ご当地検定も勧めている。

「今までの人生でまったく触れてこなかったジャンルほど面白い。最近受けた日立市と北九州市のご当地検定では、優れた環境対策を知り、想像以上に勉強になりました」(鈴木さん)

 コロナで試験のオンライン化が進み、試験の回数も増えた。鈴木さんは言う。

「落ちてもかっこ悪いことはまったくない。私も年間80個の試験を受けて合格率は7、8割。1回で勝負するわけではなく、来年合格したいから今年も受けておくこともある。自分の成長のために学ぶのだから、むしろ壁があったほうがいいんです」

(ライター・仲宇佐ゆり)

AERA 2022年3月21日号