コノシロ(出典:WEB魚図鑑)
コノシロ(出典:WEB魚図鑑)

 そのちょっとかわいそうな魚とは、魚へんに冬と書く「コノシロ」です。

 コノシロは、シンコ→コハダ→ナカズミ→コノシロと出世していきます。非常に小骨の多い魚で、江戸前寿司で人気の「コハダ」も、小骨まで食べられるように酢漬けにしていますよね。

 そして、「コハダ」より小さい「シンコ」が最も人気があって価値も高くなっています。

 いま東京の江戸前寿司のお店では、「シンコ」が出回り始める初夏に、シンコのお寿司を出しているところもあり、酢漬けにしたシンコを4匹ほど乗せたお寿司が、一貫で千円近くするとのことです。

くら寿司の「ボラのゆず漬け」
くら寿司の「ボラのゆず漬け」

 シンコは、孵化して4ケ月程度の小指くらいの小さな魚ですので、江戸前寿司の職人さんにとっては、腕の見せどころでもあるようです。筆者もまだ食べたことがありませんので、今年の夏にはぜひチャレンジしてみたいと思います。

 シンコの成魚であるコノシロは、魚へんに冬と書くことからもわかる通り、冬が旬の魚です。ただ、先ほども書いた通り、小骨が非常に多い魚ですので、コノシロクラスになると、小骨が気になって敬遠される方も多いようです。

 でも、実は寒い時期に取れたコノシロは、脂が乗っていて非常に美味しいんです。機会がありましたら、丁寧に小骨を処理して塩焼きにしてみてください。それが面倒な方は、細かくたたいてナメロウにしてもおいしいですよ。

 コノシロは、サビキ釣りやジギングでも時々かかってくると思いますが、この季節に釣れた時には、ひと手間かけて、コノシロ本来の美味しさを味わってみてください。

 くら寿司では、コハダのお寿司はもちろん、時期によってはボラのお寿司も味わっていただくことができます。

 メニューで見つけた際には、ぜひ一度食べてみてください。くら寿司のボラは、河口ではなく沖合で取れたボラを使っているので、匂いもなく、身もプリプリと肉厚で一度食べたらきっとリピートしたくなることと思います。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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