赤坂東邸で眞子さまと小室圭さんの婚約内定会見が行われたのは、2017年9月3日。それから4年近い歳月を経て、年内に結婚する見通しであると発表された (c)朝日新聞社
赤坂東邸で眞子さまと小室圭さんの婚約内定会見が行われたのは、2017年9月3日。それから4年近い歳月を経て、年内に結婚する見通しであると発表された (c)朝日新聞社
AERA 2021年9月13日号より
AERA 2021年9月13日号より

 9月1日、秋篠宮家の長女、眞子さまが年内に小室圭さんと結婚する方向で調整中であることが報じられた。婚約内定会見から4年、思いを貫いた背景には、愛のほかに何があったのか。AERA 2021年9月13日号の記事を紹介する。

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 眞子さまが年内に小室圭さんと結婚する。「納采の儀」などの儀式はせず、1億円を超すという一時金も辞退する方向で、結婚後はニューヨークで生活する。その報道を見て思ったのは、「次の山場は12月1日ではないだろうか」ということだった。

 12月1日は、天皇陛下雅子さまの長女愛子さまの20歳のお誕生日だ。成人になると、皇族は公務を始めるのが恒例だ。愛子さまも、いよいよその年齢となる。その日に合わせ、記者会見をするのも恒例だ。眞子さま、佳子さまも宮内記者会との最初の会見は、20歳のお誕生日に合わせてのものだった。そこで愛子さまは何を話すのか、それに向けて、陛下と雅子さまは何を思うのか。

「眞子さま」と「公務」と「愛子さま」。そういう話をさせていただく。

■「愛」と「皇室離れたい」

 まずは、眞子さまだ。2017年の婚約内定記者会見で、小室さんと国際基督教大学で出会い、交際開始の1年後には小室さんが眞子さまにプロポーズ、その場で眞子さまは承諾した、と明かされた。「お互いに、お付き合いをする人は結婚を考えられる人でありたい、という共通の認識がございましたので、結婚につきましては、当初より念頭にございました」という眞子さまの言葉を当時、私は純粋さの表れと受け止めた。

 が、小室さんの母の「金銭トラブル」が明らかになり、2人に逆風が吹き荒れ、それでも結婚に漕ぎつけた。そのことを知っている今、それを読み直すと、別の文脈が見えてくる。眞子さまが意志を貫けたのは、「愛」あってのこと。だがもう一つ、支えていたものがあった。それは、皇室を離れたいという思い。その原点が「お付き合いをする人は結婚を考えられる人」だったのではないだろうか。

 次にするのが、「公務」の話。人には「愛」が必要だが、もう一つ、社会的承認も必要ではないかと思う。さらに言うなら、人は仕事によって社会的承認を得ることが多い。皇族は皇族であるだけで、社会的承認が得られるのではないかという見方もあろうが、皇太子妃となって適応障害という病を得てしまった雅子さまのことを思っても、それは自明とは言えないだろう。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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