■誹謗中傷は「悲しい」

——事務所に先んじてツイッターを使いこなし、今はインスタグラムを利用する。時代や自身に合わせて最適なデジタルツールを選んできた。だが、こうしたデジタルツールは、出演したドラマ「Followers」のエピソードにもあったように、ともすれば炎上や誹謗中傷に瞬く間につながる。そんな時代にあって必要なことはなんだろうか。

池田:シンプルに、何事も額面通りに受け取らないこと。ニュースもSNSも大切な人の発言も態度も。そして、自分が全てを知っていると思い込まないことだと思います。例えば、家族の言動に棘があるなと感じても、今日は病院へ行ってきたんだろうなとか、1秒でも2秒でも相手のことを想像する時間を設けて、優しく受け取る。ニュースもいろいろな事情があるだろうし、すべてを伝え切れてないだろうから自分で勉強するとか。

 SNSで誹謗中傷を見ると、本当に悲しくなります。もし直接会っていたら、同じゲームや漫画が好きで仲良くなれたかもしれない。みんなが想像を働かせれば、仲良くなれるじゃないかと私は信じているんです。

——くっきりした目鼻立ちに170センチという高身長、凛とした佇まいに「デジタルを駆使するセルフプロデュースに長けたいまどきの女性」というイメージを強くする。だが、クランクイン前に眠れなかったり、歌番組でギターを弾く時に手が震えてピックが持てなくなるほど緊張したりすることもある。

池田:私は人を一瞬警戒しちゃうタイプで、それをやりすぎて本当に友達ができないんです(笑)。いまは、3人友達がいます。みんな年下なんですけど、「エライザはそんなことで傷ついていたらもったいないよ」などと慰められています。こんなキャラクターが世の中に早くバレればいいんですが、本当に緊張しいだから、バラエティー番組に出てもピッとしちゃうんですよね(笑)。

(フリーランス記者・坂口さゆり)

AERA 2021年3月29日号