時間に余裕があれば、都心から車で1~2時間も走れば満天の星も望める。関東なら、神奈川・箱根の仙石原すすき草原や芦ノ湖、三浦半島の南端の城ケ島、東京の奥多摩、千葉・外房の野島埼灯台、茨城・筑波山、埼玉の秩父などは絶好の星空スポットだ。東海エリアなら岐阜・各務原、関西なら神戸のポートアイランド、淡路島、滋賀・琵琶湖周辺は都心部からもアクセスがよく、星も見られる。

■防寒とひと手間で快適

 佐々木さんが星空観測成功のためのポイントを教えてくれた。まずは天気チェック。雨だったらあきらめよう。難しいのは曇り。分厚く広範囲に広がる雲は避けたほうがいいが、薄い雲やちぎれ雲であれば月光が雲を彩って幻想的なシーンを見られることも。初心者は晴れた時間帯を選ぶと間違いない。

 持ち物としては、まず防寒グッズ。長時間野外にいると体が冷えてくるので厚着し、手袋や厚めの靴下もあったほうがいい。温かい飲み物を水筒に入れて持参するのもおすすめだ。レジャーシートやクッション、アウトドア用のイスなどを持参すると、楽な姿勢を取れるので、長時間見上げていても疲れない。

 足元を照らす懐中電灯もあると便利で、スマートフォンのライト機能でも代用可。できれば赤いセロハンを光る部分に貼っておこう。暗さに目が慣れてきたときに明るい光を見ると、再びしばらく星が見えなくなる。赤色は比較的暗順応を妨げないとされ、準備にひと手間かけたい。

 観測スポットは基本的に暗く、人気も少ない場所もあるので、特に女性は防犯に注意が必要。なるべく複数で行き、行き先を家族にも伝えておこう。

「プラネタリウムや写真などで満天の星を楽しむのもいいですが、自分の目で星を見ると、星がキラキラと瞬いているのを実感できます。瞬きは、星の光が大気を通ってくるときの揺らぎで起こるので、この瞬きは今しか味わえない。そう思うと今この瞬間を生きていると実感するんです」(佐々木さん)

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