南千住の住宅街からは、東京スカイツリーを包み込むような星々が観測できた。流れる光は航空機の軌跡だ(撮影/佐々木勇太さん提供)
南千住の住宅街からは、東京スカイツリーを包み込むような星々が観測できた。流れる光は航空機の軌跡だ(撮影/佐々木勇太さん提供)

 遠出や大人数でのレジャーが難しくなってしまった現在、実は都会でも気軽に楽しめるレジャー「天体観測」が注目を集めている。都会では星が見えないと思われがちだが、明るい星しか見えないので初心者にとっては星座も見つけやすく、実は流れ星も見ることができるという。少し気が塞ぐような夜には、外に出て夜空を見上げてみてはいかがだろうか。AERA 2020年12月21日号に掲載された記事で、天体観測のコツを紹介する。

【写真特集】都会でも楽しめる冬の天体観測

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 街中の観測スポットを探すポイントを教えてくれたのは、星をテーマに世界を旅し、現在は都内のプラネタリウムで解説員を務める佐々木勇太さんだ。

 まず第1に空が開けていること。冒頭のようなビルの屋上、大きな川や海の近く、広めの公園、埋め立て地などが星空スポットだ。見える星は郊外より少ないが、流星群の夜などは、空全体を見渡せるなら流れ星が見られる可能性がぐんと上がる。

 一方で、大阪を代表する繁華街、心斎橋から徒歩15分ほどの場所で毎晩のように天体観望会を開いている「星カフェSPICA」のオーナー、keisukeさんは「建物があるからこそ、星が巡るのを実感できる」と独特の見方を教えてくれた。建物と建物の谷間は暗くて星を見るにはなかなかいいスポットで、空が狭い分、星がビルからビルへと渡っていくのを感じられるそうだ。まさに、街中でこその星の楽しみ方だろう。

 第2に、街中でもなるべく光の少ない場所を探す。その観点からも川や海、広い公園などはいい。都心の方角は明るいので、逆方向を向く。近くの街灯が目に入らないよう気をつけて。

「僕は流星群を多摩川の河川敷で見ることもあります。おすすめは海ほたるのパーキングエリア。24時間開いていてアクセスしやすく、体が冷えてきたら休憩所もあるし、トイレも使える。東京に背を向けるとより星空がよく見えます」(佐々木さん)

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