「手術の必要がなく、すぐに退院してもらいました。こういう経験は初めてで驚きました。チャーガは生命力の塊なので、視床下部を強化して免疫力、自然治癒力が高まったのでしょう。松果体腫瘍は脳のど真ん中で手術が非常に難しい箇所ですから、手術しないで治るに越したことはありません」(篠浦医師)

 この患者、高嶋直幸さんは残念ながら今年3月、自転車で出勤中に軽トラックにはねられ、4日後に亡くなった。56歳だった。母親で埼玉県川口市の高嶋陽子さん(85)は言う。

「たった3~4週間飲んだだけのチャーガが命を救ってくれて、好きな音楽活動を再開できた。感謝しています」

■副作用の報告はないが

 東京都内でバーを経営していた藤井雅彦さん(57)は10年ほど前に糖尿病を発症。医師による投薬と食事療法を続けていたが、白内障や手足の指先の感覚が鈍くなるなどの症状に苦しんできた。しかし友人の勧めで7月末からチャーガを飲み始め、約100日で指標となるヘモグロビン値が2ポイント下がり、正常値になった。

「35度7分だった平熱が36度5分まで上がったので免疫力が向上しているのでは。症状の改善に加えて精神的にリラックスでき、10年後の人生を考える余裕が出てきました」(藤井さん)

 篠浦医師は「チャーガによる副作用は報告されていませんが、白樺アレルギーの人は服用してはいけません」と話す。そして、新型コロナについてこう訴えた。

「完全な感染予防は不可能なので、感染しても重くさせないことが重要。免疫力がしっかりしていれば重症化を防げるし、がんや生活習慣病の予防にもなる。『未病』の視点が大事なのです」

(編集部・大平誠)

AERA 2020年12月14日号