夏にぴったりのさわやかな味わい
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ささみをほぐすのはぜひお子さんに任せてみて
ささみをほぐすのはぜひお子さんに任せてみて

 親御さんから質問をいただく中で多いものの一つは、「どうやったらうちの子は嫌いな食べ物を食べてくれるの?」というもの。偏食気味だったり、どうしても緑のお野菜が食べられなかったり……親として頭を悩ませられます。もちろん私もその1人。

【写真】こんな風にやってみて!子どもに任せる「ささみのほぐし方」

 そこで今回は、子どもの好き嫌いについてのお話です。

 まず大前提として、私は「嫌いな食べ物を子どもに無理やり食べさせてはいけない」と考えています。無理に食べさせても、子どもにとってはつらい思い出になるだけ。その場は解決しても、その後、もう食べなくなってしまう可能性もあります。

 時間はかかっても、子どもがその食べ物を嫌う理由にしっかり向き合って解決することが大切です。私は次のようなステップで、解決を考えています。

ステップ1 その食材を嫌いな理由を考える
ステップ2 嫌いを取り除く方法を見つける
ステップ3 一緒に作って味見作戦で食材に慣れさせる

 まずステップ1ですが、一口に食べ物の好き嫌いと言っても原因は様々。

「味が嫌い」「食感が嫌い」「匂いが苦手」というものから、「お友達やテレビで誰かが言っていたから、なんとなく嫌い」というものまで。だからこそ、克服も一筋縄ではいきません。それを探ることが、解決の第一歩になります。

 嫌いな理由を探るときには、自分自身の経験もヒントになります。

 私の場合、例えば、チャーハンなどに入っている大きめの玉ねぎ。柔らかいご飯の中に突如現れるシャキッという食感がたまらなく苦手です。肉の脂のぶよっとした食感もダメですし、噛みごたえのある肉も苦手です。

 今でも自分で料理する時は、柔らかくなるまで玉ねぎを炒め、肉の臭い消しのための下処理は欠かしません。更に、肉を焼く時は、水分を逃さないように片栗粉で覆うか、圧力鍋やホーロー鍋を使ってお箸でも切れるくらいに柔らかく調理します。ちょっと面倒ですが、これをしないと食べたくありません。大袈裟ではなく本当に苦手なんです。

 でもこれ、大人だから原因をある程度自己分析して言葉にできます。

 しかし子どもの場合、どうしてその食べ物が嫌いなのか、その理由が自分ではわからない場合も多いのです。まずはそこを聞き出さなくてはなりません。

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武田昌美

武田昌美

武田昌美(たけだ・まさみ)/リトルシェフクッキング株式会社代表取締役、子ども料理研究家。料理を通じて子どもの才能を開花させ、挑戦する勇気・失敗への前向きな姿勢を養うことを目的とする料理教室「リトルシェフクッキング」を経営。2歳から19歳まで、のべ2000人以上の子どもに料理の楽しさを教えている。https://little-chef-cooking.com

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