在宅ワークが増え、自宅で昼ご飯を食べるようになった。「一日じゅうご飯を作っている気がする……」という悲鳴が多く聞かれる(撮影/写真部・松永卓也)
在宅ワークが増え、自宅で昼ご飯を食べるようになった。「一日じゅうご飯を作っている気がする……」という悲鳴が多く聞かれる(撮影/写真部・松永卓也)
AERA 2020年7月27日号より
AERA 2020年7月27日号より
AERA 2020年7月27日号より
AERA 2020年7月27日号より

 コロナ禍で在宅ワークが増え、自宅にいる時間が増えた人も多いだろう。子どもたちの在宅時間も増えた。その結果、比例して増えたのが家事。どうしたら効率的に、快適にできるのか。この悩みが解消できれば、日常は一変するはずだ。AERA 2020年7月27日号は「家事改革」を特集。

【表】家事を「効率化する」鉄則はこちら!

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 短気で理不尽な上司からのストレスは減ったが、今度は違う“難”が待ち受けていた。

 都内に住む30代女性は夫と娘(2)との3人暮らし。1LDKの自宅は日当たりもよく、ホッとできる居場所だった。だが、3月末に夫婦ともに在宅勤務体制に突入して以来、家庭は戦場と化した。女性は吐き捨てる。

「娘は部屋を好き放題に散らかすし、マイペースな夫は自分の仕事のことしか考えない。悪気がない分イライラするんです」

 休園期間中は午前中、仕事をさばきながら、3人分の昼食を作った。保育園が再開してからは、夫婦ともに在宅勤務の日は2人分。冷蔵庫の麦茶の減りは早く、床に落ちる髪の毛の量は増えた。片道40分の通勤時間は減ったのに、以前より家事に追われている気がするという。

「昼の1食が増えるだけで心身ともに疲れるし、ウイルス感染が怖くて除菌回数も増えました。自分の時間がどんどんなくなっていると感じています」

 家事代行マッチングサービス「タスカジ」が20~80代の男女393人に調査したところ、新型コロナウイルスの感染拡大以降、約78%が家事時間が増えたと回答した。中でも料理や片づけがネックになっているという声が多いという。

 緊急事態宣言は明けたが、7月に入り感染者数は再び増加。特に東京の感染拡大は深刻だ。富士通やカルビーのように「原則テレワーク」に移行する企業もあり、仕事と家庭が入り交じる生活は今後も続きそうだ。

 では、頭の痛い「家事」をもっと楽にするにはどうしたらいいのだろうか。タスカジで、フリーランスのハウスキーパーとして働く大橋美穂さん(48)は、断言する。

「家事はエンドレスでやれてしまうけれど、長時間集中する必要はありません。『ついで家事』を意識してみてください。数分でできることを積み重ねることで家事総量は3割はもちろん、やり方次第では5割減らすこともできます」

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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