
元KARAのメンバー、ク・ハラさんが亡くなった。背景には「社会的他殺」という社会問題が浮かぶ。AERA 2019年12月9日号に掲載された記事を紹介する。
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かつてNHKの紅白歌合戦に出場し、K‐POPブームの火付け役になった韓国の4人組女性アイドルグループ「KARA」で活躍した歌手、ク・ハラさん(28)が11月24日、ソウル市の自宅で死亡しているのが見つかった。
本人のインスタグラムは前日に更新され、ベッドに横たわる写真とともに韓国語で「おやすみ」と書かれていた。室内からは身の上を悲観する内容のメモが見つかった。警察は自殺を図った可能性を念頭に、経緯について捜査している。
韓国では芸能人や著名人の自殺が少なくなく、訃報を聞かない年はない。ただ、今回、多くの韓国メディアがハラさんの死について「社会的他殺」といった表現を使い、社会問題として提起した。ハラさんは生前、ネット上の執拗な誹謗中傷やデマに苦しみ、心理的に疲弊していたからだ。