「妊婦に催涙スプレー」「出歩くだけで逮捕」荒れ狂う香港で若者に広がるある言葉 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「妊婦に催涙スプレー」「出歩くだけで逮捕」荒れ狂う香港で若者に広がるある言葉

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今井一AERA
デモ隊と警察隊の衝突現場付近で大学生が建物から転落して死亡した現場。「永遠に忘れない」と書かれた写真が貼られていた (c)朝日新聞社

デモ隊と警察隊の衝突現場付近で大学生が建物から転落して死亡した現場。「永遠に忘れない」と書かれた写真が貼られていた (c)朝日新聞社

2014年の民主化デモ「雨傘運動」の学生リーダーの一人、周庭(アグネス・チョウ)氏は自身のツイッターで、香港の現状を写真や動画を交えてつぶさに書き込んでいる。写真右の銃を突きつける警察官は、その後近づいてきた別の男性に発砲した(画面は周庭氏のツイッターから)

2014年の民主化デモ「雨傘運動」の学生リーダーの一人、周庭(アグネス・チョウ)氏は自身のツイッターで、香港の現状を写真や動画を交えてつぶさに書き込んでいる。写真右の銃を突きつける警察官は、その後近づいてきた別の男性に発砲した(画面は周庭氏のツイッターから)

「抗議活動で参加者が装う黒服を避け、普通に出歩く時でも常に油断しないように心掛けている。警察がいつ出てくるのかわからず、なぜ攻撃されるかもわからないから。出歩くだけで逮捕されている女の子が多い」

「逮捕は怖くない。ただ、逮捕された経験のある複数の女性が警官にレイプされたと証言していて、私も奴らにそうされるんじゃないかと心配になり、当面の間は街頭に出るのを控えようと思う」

 これまで積極的に抗議活動に参加していた女性が、動きづらくなっている。

 6月以降、半年にわたって「自由と民主」を求める市民の大規模かつ強力な運動が続いている理由は、「兄弟爬山 各自努力」と「Be water」という二つの戦略によるところが大きい。前者は「(非暴力か否か)方法は違っても互いを責めることなく目標達成に努める」こと。後者は「政府や警察による支配、攻撃に対して、水のように柔軟に対抗する」ことを意味する。だが、この二つの戦略が、行き詰まりを見せている。

■大国間のゲームの駒に

6月以降、政府や警察に対する抗議活動を理由に逮捕された香港市民の数は11月15日までに3400人に達した(警察発表)。そのうち700人余は11月に入ってからの逮捕者だ。また、逮捕者の大半が未成年を含む20代の若者たちで、勇武派として「最前線」に立つ人が少なくなってきた。もちろん、新たに戦線に加わる若者もいるが、その数には限りがある。

 非暴力の「和理非派」も動きをとりづらい状況になっている。平和的な集会やデモ行進の許可申請を出しても、以前のように簡単には認められず、許可されたとしても、集会開始から15分と経たないうちに「解散命令」が出されて催涙弾が撃ち込まれ、抵抗したら容赦なく殴打され逮捕となる。ひどいのは、以前なら街頭で「黒警死(ハッゲンセイ) 全家(ツインガ)!」(悪辣な警官は一家そろって死ね)と叫んでもそれを理由に逮捕されることはなかったが、今は「五大訴求(ウーダイソウカゥ)、缺一不可(キャツヤッバッホウ)」(五つの要求、一つも譲らず)という一般的なスローガンを叫んだだけで、武装警官に殴られ逮捕されることもある。

 何度も街頭デモに参加している20代女性たちはこう話す。


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