玉城デニー知事の「提案無視なら沖縄漂流」 新協議機関に専門家が賛同 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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玉城デニー知事の「提案無視なら沖縄漂流」 新協議機関に専門家が賛同

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安倍晋三首相との面談で県民投票の結果を通知し、SACOの枠組みに沖縄を加えた新しい協議機関の設置を提案した玉城デニー沖縄県知事(左)=1日、首相官邸 (c)朝日新聞社

安倍晋三首相との面談で県民投票の結果を通知し、SACOの枠組みに沖縄を加えた新しい協議機関の設置を提案した玉城デニー沖縄県知事(左)=1日、首相官邸 (c)朝日新聞社

玉城知事が提案した「SACWO」の枠組み(AERA 2019年3月18日号より)

玉城知事が提案した「SACWO」の枠組み(AERA 2019年3月18日号より)

「たとえば、北部訓練場(沖縄県東村など)の返還もヘリパッド移設の条件が付けられ、東村高江地区に集約されました。沖縄の基地縮小をうたいながら、実際は米軍の効率的運用が優先された面もあります。これは沖縄側が求めた当初の意図とは異なります。こうしたことも検証すべきでしょう」

 2016年に実現した北部訓練場の一部約4千ヘクタールの返還は、ヘリパッド建設に対する反発の高まりなどを受け、02年度末の目標から大きくずれ込んだ。普天間飛行場の返還は今なお見通しが立っていない。江上氏は言う。

「県内での移設や統合が中心のSACOの進め方でいいのか、客観的に検証する場は絶対必要です。日、米、沖縄の三者が意見を出し合い、基地の整理縮小を前進させる必要があります。でなければ、沖縄の人たちの怒りは今後も収まらないでしょう」

 SACWO設置に取り組むことで、政権は沖縄に対して「最低限の誠意」を示すべきだ、と江上氏は訴える。

「玉城知事は今回、『辺野古即断念』を政府に突き付けるのではなく、穏当な『協議機関の設置』を求めました。この要請すら拒むのは、沖縄の声に一切耳を傾けないというのと同じです。首相と知事の面談も形式だけ。何も聞かないというのであれば、これはもう政治じゃない」

 SACWOのような協議機関の必要性は、日米間の安全保障政策の専門家も指摘している。その一人が、元米海兵隊政務外交部次長で政治学者のロバート・エルドリッヂ氏だ。

「最大の問題は、日米政府と沖縄県の対話があまりにも足りないことです。長年、『ポストSACO』の議論が必要だと問題提起してきましたが、互いの立場を理解する協議になれば、(SACWOは)よい機会になるでしょう」

 エルドリッヂ氏は現行の「辺野古」案をこう否定する。

「政治、環境、軍事、財政、戦略の面で問題がある、最悪の計画です」

 軍事的な問題の一つは、緊急時の民間空港の滑走路使用だ。

 滑走路が1190メートルの辺野古新基地は、2740メートルの滑走路をもつ普天間飛行場の代替施設としては不十分で、米側が緊急時には那覇空港など「民間施設」を使用できるよう求めている。日本政府は武力攻撃事態を想定した「特定公共施設利用法」などを挙げ、緊急時の那覇空港の米軍使用について「特段の問題は生じない」との立場だが、エルドリッヂ氏は機能面の懸念を示す。


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