「少しずつ真実に迫ろうと、何世代にもわたって積み重ねて少しずつわかるというような研究をしてきた人間はすごい存在ですよ。汲めども尽きぬ好奇心というか、研究対象への愛……もっと理解したいという気持ちですよね。それに、植物も、動物も、人間も含め多種多様な生き物が進化の偶然によって今地球上にいるわけで、その事実自体が、人間の言葉に翻訳すると愛としか言いようがないのではないかと思うんです」
(ライター・濱野奈美子)
■書店員さんオススメの一冊
今年7月、アメリカでSTEM教育を推進しているSTEAM Educationの推薦も受けた『子供の科学STEM体験ブック AI時代を生きぬく理系脳が育つ 実験でわかる科学のなぜ?』が出版された。オリオン書房ルミネ立川店の田邊水玲さんは、同著の魅力を次のように寄せる。
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人工知能の進化で私たちの生活や働き方は急激に変化し始めています。これらに対応するためにも「科学」「テクノロジー」「エンジニアリング」「数学」の頭文字を取った科学技術教育のSTEMは、今の時代には欠かせません。
本著では、STEMを簡単な実験と図で解説しています。なかには「遺伝子」「原子」といった、子どもには少し難しいのではと感じるテーマもあるかもしれません。
でも、実際にはこれらの言葉はテレビなどで日ごろから、よく耳にします。馴染みのある言葉だからこそ、子どもたちの真の「なぜ」が引き出され、親子で一緒に考えることでさらに興味を持つチャンスが生まれるのではないでしょうか。
これからの時代を生き抜く力の土台作りを、親子のコミュニケーションから培うことができる良書だと思います。。
※AERA 2018年11月5日号