AERA 2018年10月1日売り表紙に吉田羊さんが登場
AERA 2018年10月1日売り表紙に吉田羊さんが登場

「強くみられることが多い」という吉田羊さん。実際には「中身はおじさんくさい(笑)」と言いつつ、インタビューに答える言葉は、周りの人々に対する温かい愛情に溢れていた。

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──最近は、ドラマや映画以外にも、コント番組への出演や声優など、ジャンルレスに活躍されている印象を受けます。それぞれ演じ方も違いますか?

 役に対するアプローチの仕方は同じです。でも、見せ方は違いますね。例えばドラマだと、「ドラマ的に見やすい絵」があるんです。普通であれば、お茶を飲んだらカップは机に置きますよね。でもドラマだと、カメラの「画角」に収まるように、顔の下でカップを手に持ったまま動きを止める、とか。

──普段の動きとは違って、違和感がありますよね。

 実は、舞台から映像の世界に入って、いちばん最初にぶち当たった壁はそこなんです。だから、「なぜここで止めるのか」という理由を自然に考えるようになりました。動きの演出を先につけられたときは、動きに合わせて自分の気持ちを作っていく。そうすると心の迷いが消えて、動きの不自然さもなくなる気がします。

──「演じる」こと以外の活動にも積極的です。アンバサダーを務められている「エイジンググレイスフリープロジェクト」では、毎月コラムも発表されています。

 書くことは、楽しいと思う半面、正直「怖い」と思う気持ちもあります。それは、毎回楽しみに読んでくださっている方に適当なことは言えないという怖さもありますし、自分の言葉が文字として残ることの怖さもある。だから、こういうインタビューも、毎回緊張するんです。

──言葉で表現するのが怖いというのは、意外でした。

 ただ私自身、「言葉」に救われてきたことって、今までたくさんあったんですよね。だから、できれば自分も、人をポジティブな気持ちにできるようなメッセージを発信していきたいなと思います。発信する側も、受け止める側も、心にお土産を一つ持って帰れる。そんな言葉を表現できたら、理想的ですね。

──エイジンググレイスフリープロジェクトでは、40代、50代の女性が、「わたしらしく、優雅に年齢を重ねていくこと」を応援しています。吉田さんは、まさにそれを体現されている女性だと思うのですが。

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