C:どこもビジネスに走りすぎている面は否めませんね。他の大手の会社は最近「ポイント制度」を導入したじゃないですか? もちろん、そうせざるを得ないのもわかります。一度、葬儀を仲介してもらったら、喪家としては、それ以降、仲介会社を介さずに直でお坊さんにお願いしたいと思いますからね。実際、その会社を利用して法事を行ったら数万円のお布施がかかりますが、そのうちの半分以上を仲介料として持っていきます。つまり、直でやれば、安く抑えることもできてしまうわけです。それで、直で喪家から法事を引き受けるお坊さんが増えすぎたんですが、その後は「リピートが入るほどポイントがついて、ポイントの高い方にお仕事を優先的に紹介します」というかたちにしたんです。せっかく喪家や僧侶にとっても素晴らしいサービスをつくってくれたのに。

──葬儀・法事を依頼される方に変化は見られますか?

B:やはり、供養心の薄れた方が多い印象ですね。あと、お寺に対して不満を持たれている方が多い……。仲介サービスの利用者の大半は菩提寺のない方ですが、ある方でも「菩提寺にはお願いしたくないので、こちらを利用した」という具合です。

C:それも仕方ありませんよね。本山に集まると、「墓じまいしたいっていうから、100万円の離檀料を請求してやったわ、ガハハ」って、下品な話をされる住職がまだまだいますもん……。ただ、私は供養心は皆さんあると感じています。私のお寺にはペット霊園があるのですが、納骨の際には大泣きされる方が多いし、花が絶えないお墓も多い。人間のお墓には全然お花が供えられていなかったりするので、少々複雑な気持ちですが(苦笑)。ただ、ペットを供養したいという気持ちのある人は、ご先祖を供養したいという気持ちが強くなるだろうと期待しています。動物から人間へと、供養心を育んでいくのも私たちの務めでしょう。

(構成/ジャーナリスト・田茂井治)

AERA 2018年8月13-20日合併号より抜粋