増原:私の知らない勝間さんをたくさん知っていらっしゃるから。でも彼女に限らず、やっぱり誰もが自分に正直に、自分らしくいられることが大事なんだと思うんですよね。
くらたま:そう、すごく大事な部分にふたをしてたんだよね。
増原:くらたまさんの“カップル観”ってどんな感じですか?
くらたま:いろんな形があっていいと思ってる。友人の中村うさぎの旦那はゲイで、最初から二人に性的な関係はないのね。でも数年前に彼女が大病をして死にかけたとき、彼が献身的に看病をしているのを見て心を打たれた。二人の絆は恋愛感情とは別だけど、パートナーとしてはこれ以上ないものだと思った。
増原:一般に「セックスレスは離婚率が高い」と言われるけど、そういうものでもないのかな、と思います。
くらたま:私も旦那とセックスレスだし、いま旦那の会社は潰れて、収入もない。でもじゃあ別れるか、とは思えない。結局「相性」なのかもね。
増原:本当にそうですね。相手が男でも女でも、人間はそれぞれ違う存在。その二人がお互いのいいところを伸ばし合い、補い合っていく。まさに“ダイバーシティー”を実践してるなあと自分で気づきました。
くらたま:二人を見ていて、本当にそう思ったわ。
増原:人生100年の時代、自分が選んだ相手とこの先50年一緒に生きるかもしれない。それなら、そこに支配や依存や暴力なんてないほうがいい。特に夫婦ってそういう関係になりやすいですから。
くらたま:うちの両親がまさにそう。父が母に依存して、母の足を引っ張ってる。母が女友達と遊びに行きたい→父がいい顔しない→それでも母が遊びに行く→父が怒る→母はますます父が嫌いになる、みたいなサイクルを繰り返してる。
増原:難しいですけど、ひとつ解決方法があるとしたら専門家による「カップル・カウンセリング」ですね。
くらたま:なるほど、そういう発想があるのか!
増原:欧米ではけっこうポピュラーだけど、日本って家族の問題に第三者を介入させたがらないんですよね。「恥だ」みたいな。