おにぎりやパンは午前中の内に売り切れたという=茨木市内のコンビニで(撮影・澤田晃宏)
おにぎりやパンは午前中の内に売り切れたという=茨木市内のコンビニで(撮影・澤田晃宏)
茨木神社の塀が倒れていた=18日夜、茨木市(撮影・)澤田晃宏
茨木神社の塀が倒れていた=18日夜、茨木市(撮影・)澤田晃宏
JR新大阪駅で列車の運行再開を待つ人たち(撮影・澤田晃宏)
JR新大阪駅で列車の運行再開を待つ人たち(撮影・澤田晃宏)

 震度6弱を観測した大阪府北部・箕面市に住む会社員の女性(31)は、地震発生の瞬間をこう振り返った。

【写真特集】大阪府内の地震発生後の被害の様子

阪神大震災に比べれば体感的には15秒ほどの短い揺れでしたが、身動きできない強い揺れでした。だけど、突っ張り棒を準備していたお蔭で、背の高い大きな家具も倒れずに済みました。あれがなければ家具の下敷きになり、怪我をしていたかもしれません」

 女性は阪神大震災をきっかけに、家具に転倒防止の突っ張り棒を使用するようになったという。ただ、女性のようなケースは少数派と言えるだろう。

 震度6弱を観測し、死者も出た大阪府北部・茨木市の主婦(49)はこう話す。

「大阪の被害は少なかったとは言え、阪神大震災を経験しているから、もう一生のうちに大地震を受けることはないだろうと思っていた。南海トラフ地震が予測されていることは知っているが、被害を受けるのは大阪の南側と言うか、関西では和歌山のイメージ。危機感はなく、特別に地震に対して準備しているものはなかった」

 なぜ、大地震が大阪に?

 今後30年以内の地震発生確率が60%とも70%とも言われ、大きな被害が予想される「南海トラフ大地震」や「首都直下地震」の震源地となっているわけではない。「なぜ、ここに?」で思い出すのは2016年の本地震だ。

 政府の地震調査研究推進本部はハザードマップと海溝型地震と主要活断層帯の長期評価を公開しているが、熊本地震を起こした布田川断層帯で30年以内に地震が起こる確率を「ほぼ0~0・9%」とし、30年以内に震度6弱以上に見舞われる確率が7・6%と公表していた。地震リスクの低さから企業誘致も積極的に行っていた熊本が、大地震に見舞われることになった。

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想定外だった熊本、大阪