米朝衝突はある?ない? 可能性を「0%」にする“秘策”も (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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米朝衝突はある?ない? 可能性を「0%」にする“秘策”も

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野村昌二AERA#北朝鮮
こうだ・ようじ/1949年生まれ。元海将。2008年退官。著書に『北朝鮮がアメリカと戦争する日』(幻冬舎新書)など(撮影/編集部・野村昌ニ)

こうだ・ようじ/1949年生まれ。元海将。2008年退官。著書に『北朝鮮がアメリカと戦争する日』(幻冬舎新書)など(撮影/編集部・野村昌ニ)

はんだ・しげる/1955年生まれ。東京新聞論説兼編集委員。著書に『「北朝鮮の脅威」のカラクリ』(岩波ブックレット)など(写真:本人提供)

はんだ・しげる/1955年生まれ。東京新聞論説兼編集委員。著書に『「北朝鮮の脅威」のカラクリ』(岩波ブックレット)など(写真:本人提供)

ごみ・ようじ/1958年生まれ。東京新聞論説委員。著書に『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋)など(撮影/編集部・野村昌ニ)

ごみ・ようじ/1958年生まれ。東京新聞論説委員。著書に『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋)など(撮影/編集部・野村昌ニ)

 専門家ですら意見が真っ二つに分かれるのは、今は鳴りを潜めるが、少し前まで金正恩委員長は挑発的なミサイルの発射を繰り返し、トランプ大統領も衝動的で過激な発言をしていたからだ。トランプ外交の最大の特徴は、予測の難しさだ。

「常識では測れないトランプ大統領のこと。米朝の接触が本格化しても、北朝鮮が強く反発したり核実験をしたりすれば、軍事衝突の可能性はあります」

 そう指摘するのは、朝鮮半島情勢に詳しい、東京新聞論説委員の五味洋治氏(59)だ。

 五味氏は米朝戦争の可能性について以前は確率が「60%」と考えていたが、今は「40%」と見る。この変化は、最近の中東情勢を睨んでのことだという。

 米国は5月にもエルサレムに大使館を移転させる見通し。そうなると中東情勢は確実に揉め始め、中東と北朝鮮の二方面作戦は難しくなる。つまり「北朝鮮問題は現状維持でいいと考えるのではないか」とする。それでも40%と決して低くない値を出すのは、トランプ大統領の出方が読めないからだという。

 米朝戦争は絶対に避けなければならないというのは専門家に共通する意見。確率を「0%」にできないのか。五味氏は、可能性は「ある」という。

「それには安倍首相がアメリカに『日本を巻き込むような戦争は許さない』と言うことです。

 すでに韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、『あらゆる手段を講じて戦争を阻止する』とトランプ大統領にクギを刺した。同盟国の日韓首脳が反対する中での軍事行動は、いくらトランプ大統領でも踏み切れない。武力行使の可能性は間違いなく0になります」

 朝鮮戦争では民間人を含め数百万人が犠牲になった。その歴史をもう一度思い起こし学ぶことが大切だと、五味氏は説く。

「時間はかかります。しかし今度、半島で衝突が起きれば日本も無傷ではいられない。多くの人が死に、国土が荒廃します。決着できないまま終わった、朝鮮戦争を想起してほしい」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2018年3月19日号より抜粋


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