小島慶子(こじま・けいこ)/タレント、エッセイスト。1972年生まれ。家族のいるオーストラリアと日本との往復の日々。近著に小説『ホライズン』(文藝春秋)。最新刊は『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)
小島慶子(こじま・けいこ)/タレント、エッセイスト。1972年生まれ。家族のいるオーストラリアと日本との往復の日々。近著に小説『ホライズン』(文藝春秋)。最新刊は『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)
校長は「標準服」の基本一式4万円は「本校の保護者であれば何とか出せるんじゃないか、と思っている」と語った (c)朝日新聞社
校長は「標準服」の基本一式4万円は「本校の保護者であれば何とか出せるんじゃないか、と思っている」と語った (c)朝日新聞社

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 東京の公立小の制服がアルマーニ!と話題ですね。銀座らしさを追求した結果、メーカー探しに苦労してイタリアンブランドに行き着いたようです。校長は、伝統校ならではの「服育」を!という譲れない思いがあったようですが。

 公立校の制服は、裕福な家の子どももそうでない家の子どもも服装で差がつかないようにするためのものでもあるのですから、余裕がない家庭でも購える価格にするのが当然でしょう。

 我が家の息子たちは、日本では制服のない公立小学校に通っていました。小学生男子に高価な服を着せるくらい無駄なことはないので、服飾費がかさむことはありませんでしたが、オーストラリアに引っ越してからは制服です。

 西オーストラリア州の公立小学校は、学校ごとに指定のポロシャツがあります。胸に校章がプリントされており、ネイビーとオレンジとか、赤と黒とか、緑と黄色とか、たいてい2色づかいで学校ごとにデザインもいろいろ。それに帽子と短パンまたはスカート、冬はジャンパー。体操用ポロシャツがある学校もありますが、地元では運動パンツにはき替えるだけで、上は制服のままでした。あとは運動会用のカラーポロシャツ。鞄はもちろんランドセルではなく、市販のバックパックでOKです。

 校章入りの綿ポロシャツは1豪ドル85円換算で1枚2300円ほど。安くはないですが驚くほど丈夫で、洗濯機と乾燥機でガンガン洗っても全くへたりません。ハイスクール(中高)に入ると、速乾性の校章入りポロシャツが同2600円ほど。一番高い冬の上着が同3500円ほどです。ポロシャツは動きやすいし丈夫だし見た目もわかりやすいので、制服としてはかなり機能的です。アイロンがけも不要だし!

 日本でもポロシャツ制服、結構ウケると思うのですが。銀座らしい配色で、いかがでしょう?

AERA 2018年2月26日号

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小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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