なぜ10月? “神在月”に出雲に神々が集まる理由は… (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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なぜ10月? “神在月”に出雲に神々が集まる理由は…

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野村昌二AERA
旧暦の10月10日、稲佐の浜で営まれる出雲大社の「神迎神事」。浜で篝火をたいて神職が神々を迎え、出雲大社へと向かう(撮影/写真家・稲田美織)

旧暦の10月10日、稲佐の浜で営まれる出雲大社の「神迎神事」。浜で篝火をたいて神職が神々を迎え、出雲大社へと向かう(撮影/写真家・稲田美織)

60年ぶりとなる「平成の大遷宮」が行われ、本殿は美しく生まれ変わった(撮影/写真家・稲田美織)

60年ぶりとなる「平成の大遷宮」が行われ、本殿は美しく生まれ変わった(撮影/写真家・稲田美織)

神々の国・出雲の象徴であるかのようにそそり立つ出雲大社。八雲山(やくもやま)を背にした神域は、厳粛な空気が流れる(撮影/写真家・稲田美織)

神々の国・出雲の象徴であるかのようにそそり立つ出雲大社。八雲山(やくもやま)を背にした神域は、厳粛な空気が流れる(撮影/写真家・稲田美織)

 宗教評論家のひろさちやさんは、神さまとは「空気」だという。

「その空気とは、空気が読めない時に使う『KY』の空気。起源は、縄文時代にあると思います。人々は自然の恵みを受けて暮らし、自然によって生かされているという感覚を持つようになりました。この感覚を表現したのが神さま。ですから、神さまはあらゆる場所に満ちあふれていて、私たちは神さまと一緒に生きている。これが、神道の原則です」

 神道には、体系的な教義や経典もない。そのため明確な見解を示すのは難しいが、皇學館大学大学院(三重県伊勢市)の櫻井治男特別教授(宗教学)は、日本人と神さまは「ゆるやかで強い絆」で結ばれていると話す。「はるか昔から、あえて意識しなくても神さまの存在を感じていた日本人は、神さまとの間にゆるやかだけど強い、決して切れない絆を持つようになったのではないでしょうか」

 出雲大社では日が暮れても参拝者は後を絶たない。境内のあちこちで、出雲特有の二礼四拍手一礼をした後も、目をつむり願い続ける。

 江戸時代中期には出雲大社の縁結び信仰が広まった。それが今のように「聖地」として女性から支持を集めるのは、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんが

 10年ほど前にテレビでこの地を「スピリチュアル・パワースポット」として取り上げてからだ。60年ぶりの「平成の大遷宮」のメイン行事「本殿遷座祭(ほんでんせんざさい)」は13年に終わったが、今も年間約600万人が訪れる。

 今後の仕事と「ご縁」を求め、神奈川県から初めて出雲を訪れたという女性(40)は言う。

「祈祷(きとう)もしていただいたのですが、その直後から面白い出会いや、久しぶりの人から連絡が来たり、仕事の依頼の連絡が入ったりしました。子どもの頃に神さまにお願いをしてかなえてもらった感覚に近く、神さまの存在を感じ始めました」

 一年の感謝の気持ちを伝えに、職場の同僚4人で来た広島県在住の女性(35)はこう話した。


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