転職は面倒なもの。でも、もしある日突然、今より条件がよく、興味ある分野で、さらにキャリアアップもできる仕事のスカウトメールが来たら──。心は動いてしまうに違いない。
【scouty(スカウティ)が提供する「AIヘッドハンティングサービス」】
人手不足が年々深刻化するなか、ITの力を使って企業と人とをマッチングし、人材の有効活用をめざす「HR(ヒューマンリソース=人的資源)テック」に注目が集まっている。
scouty(スカウティ)が提供するエンジニア向けの「AIヘッドハンティングサービス」は、冒頭の夢のような転職を実現した。AIがSNS投稿などインターネットのさまざまな情報を収集し、プログラミングのスキルや、興味のある分野のキーワードなどを記載した人材データベースを作成。この情報を元に、企業の人事部は、必要な能力を持つ人材にアプローチできる。エンジニア側は、転職サービスに登録していなくても、能力に合ったオファーが来るというものだ。
「今の就職や転職活動のシステムがあまり好きじゃない。ミスマッチが生まれやすい仕組みだと思うんです」
そう語るスカウティ代表取締役の島田寛基さん。起業の原体験は、友人の就活に疑問を抱いたことだ。京都大学卒業後、英エディンバラ大学院に留学。日本では、友人たちが就活の真っただ中。しかし、優秀な友人ほど能力に見合った就職をしていないのでは……。
広告会社に入社した、デザインが得意な友人も、能力を生かせないままに、毎日終電まで仕事に追われていた。「修業だと思って、3年は続けるよ」。疲れた顔でそう語る友人の言葉に、どうも納得がいかなかった。
「もし能力に合ったスカウトが来ていたら、状況は違ったはずです」