その頃、大阪桐蔭の有友茂史部長がこんな話をしていた。

「生真面目で、頭も良く、自分の中で理論立てて練習に取り組もうとする。それも大事なんですが、もう少し感覚的でもいい。器用貧乏にならないようにだけ気をつけています」

 17年春のセンバツ決勝はリリーフ登板し、胴上げ投手に。新チームでは4番を務め、秋季大阪大会と近畿大会11試合で計5本塁打。ドラフト候補をそろえ、最強世代と言われる18年の大阪桐蔭でも柱となる選手だ。

「自分たちは最強世代なんて思っていません。もっともっとうまくなりたいです」(根尾)

 目指すはセンバツの連覇、そして100回大会を迎える夏の甲子園での日本一である。(ノンフィクションライター・柳川悠二)

AERA 2018年1月1-8日合併号