竹内智香「食事が体づくりにつながると痛感した出来事」
連載「黄金色へのシュプール」
ソチ冬季五輪で銀メダルを獲得したスノーボード女子アルペン・竹内智香選手が「AERA」で連載する「黄金色へのシュプール」をお届けします。長野五輪を観て感動し、本格的に競技をスタート。2018年2月の平昌五輪では念願の金メダル獲得を目指す竹内選手の今の様子や思いをお伝えします。
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海外生活が多い中、合宿でも自炊することがほとんどです。アスリートにとって食事は当然大切ですが、それを痛いほど感じた出来事が過去にありました。
ソチ五輪が終わった後にブルガリアに行った時でした。急に喉と顔がパンパンに腫れて、息もできなくなり病院に運ばれました。パーティーで食べた海鮮がダメだったのか、何が理由なのかはその時は全然わかりませんでした。さらに今度は太陽に当たっても症状が出るようになってしまって、帰国して病院に行っても原因を特定できないまま半年ぐらいが過ぎました。
その間は、食べ物自体を口にするのも、日に当たるのも怖くて外出も少なくなっていました。だから外に行くにも帽子をかぶってサングラスをかけて、さらに日傘も差してという完全防備。なかなかつらい毎日でした。
薬も飲めば飲むほど集中力がなくなる。何をやっても治らないので、ある時、断食をしました。すると、ピタッと症状が止まりました。断食で治ったということは、やっぱり食べ物が原因だと思い、今度はアメリカで血液を調べてもらったら卵と乳製品、小麦のアレルギーだということがわかったのです。

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