中学生が自作のヨットで挑む 伝統校・逗子開成の「ヨット実習」 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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中学生が自作のヨットで挑む 伝統校・逗子開成の「ヨット実習」

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柿崎明子AERA
逗子開成中学・高校/ヨットが陸に近づくと、生徒が駆け寄り協力して浜辺へ引き上げる。ヨットは50キロあり一人で運ぶことはできない。チームの協力も、大切な教育の一環だ(撮影/柿崎明子)

逗子開成中学・高校/ヨットが陸に近づくと、生徒が駆け寄り協力して浜辺へ引き上げる。ヨットは50キロあり一人で運ぶことはできない。チームの協力も、大切な教育の一環だ(撮影/柿崎明子)

 2014年には東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと提携を始めた。講師が来校して、海洋学特別講義を実施。中3生はテーマを決めてグループ学習を行い、昨年は津波や深海生物研究、漁業従事者を訪れて「漁師体験」をレポートし、成果を文化祭で発表した。

 高校では学びが本格化する。希望者は海洋人間学講座に参加。有志でプロジェクトを立ち上げ、東大の研究室を訪ねたり、講師のアドバイスを受けたりしながら、より専門的な研究に取り組むのだ。5月にあった「JPGU&AGU Joint Meeting 2017」(日本地球惑星科学連合・アメリカ地球物理学連合共催)では、2チームがポスター発表を行った。この講座がきっかけで大学の海洋学部に進む生徒もいる。

 ニュージーランド(NZ)でワイナリー「フォリウム」を運営する岡田岳樹さん(38)は1997年の卒業。北海道大学で農学を、カリフォルニア大学デービス校で醸造学を学んだ後、NZのマールボロ地方で修業、10年に独立した。

「6年間自然豊かな環境で、のびのび過ごしました。自然相手の仕事を選んだのも中高時代の影響かも。ヨット実習で無風の日、浸水して必死に水を掻き出しました。思い通りにいかないのはワイン造りも同じですね」

 海洋教育センターからは湾が一望でき、晴れた日は砂浜でランチをとる生徒も。「海を眺めていれば、鬱々とした気持ちも吹き飛ぶ。それだけでも本校は海から恩恵を受けています」と高橋校長。海という教師が学びを豊かにしている。(ライター・柿崎明子)

AERA 2017年11月6日号より抜粋


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