警察官の志望者が増えるにつれて、カリキュラムも改編。2年次からコース別に分かれるが、07年から「経営」「公共」に加えて、警察官志望者をターゲットにした「法心理コース」も追加した。入試にも「警察官志望AO入試」が設けられており、東さんは同枠で入学した。

 同じく結果を待つ4年生の本橋稔耶さんは、刑法の授業が印象に残っているという。

「現実に起こった事例を取り上げることが多かったので、興味深かった」

 同大では少人数を生かして、1年次から全学生が基礎ゼミ、及び専門ゼミに参加している。

「少人数で議論することでコミュニケーション能力が育ち、人間力も鍛えられて警察官や公務員としての素地ができます」(奧村特任教授)

 手厚い就職支援も見逃せない。1年次からキャリア教育の一環として、専門講師による公務員試験対策の「キャリアマネジメント」講座を開講している。

 大学通信の安田賢治常務取締役が言う。

「それほど偏差値の高くない小規模な大学は、資格が必要な特定の業種に特化することで就職率を上げている。ニチブンは、警察官に強い大学というイメージをつくったことが、成功につながった」(ライター/柿崎明子)

AERA 2017年8月28日号