日本文化大學/学生支援室で学生と談話する奧村特任教授。机奥が東さん、手前が本橋さん。フロアには警察官募集のパンフレットが47都道府県そろっている(撮影/写真部・高井正彦)
日本文化大學/学生支援室で学生と談話する奧村特任教授。机奥が東さん、手前が本橋さん。フロアには警察官募集のパンフレットが47都道府県そろっている(撮影/写真部・高井正彦)

 オープンキャンパス真っ盛りのこの季節。最近では親同伴で学内を回る姿も珍しくない。教育環境や入試倍率、学費もそうだが、“出口”の就職率なども気になるところ。AERA 8月28日号で、コスパのいい進学先を調べてみた。留学したいけどお金がない。大学に通いたいけど時間がない。諦めるのはまだ早い。“お得な大学”あります。

*  *  *

 ニチブンの愛称を持つ日本文化大學(東京都八王子市)は、1978年に開学した法学部法学科の単科大学。全学生800人の小規模な大学に、警察官志望者が熱い視線を送るのは、その採用試験合格率の高さからだ。2009年に27%でトップを獲得して以来、現在まで守り続けている。17年は、卒業生199人のうち81人が警察官採用試験に合格した。

 警察官採用試験の結果を待つ4年生の東優佑さんも、合格率の高さに惹かれて進学した。

「大切な自転車を盗まれた時の親切な対応が、警察官になりたいと思った決め手だった。困っている人を助けたい」

 なぜニチブンは採用試験に強いのか。学生支援室長の奧村卓石特任教授は言う。

「本学の建学の精神が、公共に尽くす公務員の仕事にマッチしている。開学から徐々に警察官を目指す学生が増え始め、警察官になるならニチブンという流れができてきました」

次のページ