ボリショイ・バレエ来日60周年 プリセツカヤ、マクシーモワ、ザハーロワ、スミルノワ…極上の美の系譜 (1/6) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ボリショイ・バレエ来日60周年 プリセツカヤ、マクシーモワ、ザハーロワ、スミルノワ…極上の美の系譜

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清野由美AERA
スミルノワは、サンクトペテルブルク出身。2011年、ボリショイ入団。16年にプリンシパルに昇格した。チュージンは、ロシア・アルタイ地方のバルナウル出身。11年にボリショイにプリンシパルとして入団(撮影/写真部・小原雄輝)

スミルノワは、サンクトペテルブルク出身。2011年、ボリショイ入団。16年にプリンシパルに昇格した。チュージンは、ロシア・アルタイ地方のバルナウル出身。11年にボリショイにプリンシパルとして入団(撮影/写真部・小原雄輝)

 ボリショイ・バレエの栄光はかつて、鉄のカーテンとともにあった。時代が移り変わって現在。情熱的な持ち味に、クールな現代性が加わり、その歴史は新たな地平を迎えている。

 アルマーニのドレスが、まるであつらえたように似合う。東京・表参道の並木道で、ポーズをとる美女・美男に、道行く人たちが立ち止まる。

 2人はロシアが誇るボリショイ・バレエの若きスター、オルガ・スミルノワとセミョーン・チュージン。前夜に東京文化会館で踊った「白鳥の湖」全幕で、観客から熱い喝采を受けたばかりだ。

「マリインスキー・バレエ」(サンクトペテルブルク)、「パリ・オペラ座バレエ」、「英国ロイヤルバレエ団」(ロンドン)、「アメリカン・バレエ・シアター」(ニューヨーク)とともに、世界5大バレエに数えられるボリショイは、今年で来日60周年の節目を迎えた。1957年の初来日以来、ボリショイ(ロシア語で「大きい」)という名前通り、日本の観客の間でも、半世紀以上にわたって、大いなる人気を集めてきた。

●マリインスキーと対比

 1776年、帝政ロシア時代にモスクワで誕生したボリショイ劇場は、当時の首都、サンクトペテルブルクに開設されたマリインスキー劇場と、対比して語られることが多い。

 貴族文化をベースに、コスモポリタン都市として洗練を極めたサンクトペテルブルクでは、アカデミックな様式にのっとった、繊細で抑制的な表現が好まれる。対して、商人や地主階級が中心だったモスクワは、ダイナミックで、迫力のあるエンターテインメント性が十八番だ。

 その特色は、それぞれ付属バレエ学校の位置付けである「モスクワ国立舞踊アカデミー(別称ボリショイ・バレエ・アカデミー)」と、「ワガノワ・バレエ・アカデミー」の違いにも通じる。

 厳格なメソッド教育で知られるワガノワ・バレエ・アカデミーを首席で卒業したスミルノワは、通常ならマリインスキーに進むべき逸材だった。が、彼女が一足飛びに入団したのはボリショイ。


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