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日本人の死生観に変化 「霊魂信じる」増加中

熊澤志保AERA
墓前で手を合わせる家族。多くの人は墓参りをすれば、自然に目を閉じ手を合わせる (c)朝日新聞社

墓前で手を合わせる家族。多くの人は墓参りをすれば、自然に目を閉じ手を合わせる (c)朝日新聞社

●「長寿化」の世相も反映

 一方で日本には、仏教が伝来する以前から森羅万象に魂を見いだす思想があった。「山川草木悉皆成仏」、山も川も草も木もすべてが成仏できるという発想は、もともとのインド仏教にはないものだ。そんな日本人の“自然観”の上に日本仏教は発展してきたのではないか。あの世の存在を信じる人の増加は、「現代人の宗教観が少しずつ回帰しているからでは」と言う。

 寿命の問題もある。鎌倉時代の平均死亡年齢は24歳、江戸時代の農村の女性は26歳で、死は身近で切実な問題だった。だが現在の平均寿命は男女ともに80歳を超えている。

「人生が短く、死んでからのあの世で過ごす時間が重要な関心事だった過去に比べ、いまは人生が圧倒的に長い。死生観は変化して当然です」(正木さん)

「月刊住職」編集長の矢澤澄道(ちょうどう)さんも、人々の死生観のこれまでにない変化を肌で感じている。

「亡くなった人に、『会いたい』『会えますか?』と尋ねてくる人や、『言い残した言葉を聞きたい』『幽霊でも会いたい』という人が増えています。墓は成仏の場所ではなく、再会の場所になってきているのです」(矢澤さん)

(編集部・熊澤志保)

AERA 2017年8月7日号


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