●党も政策も超えて

 私自身が変わると、周囲から威圧されることもなくなりました。総裁選に出ようとしたのも、「今は静かにしておけば良いことあるかも」という男性的な発想がなくなったからです。派閥という同調圧力を脱したら、有権者のほうを向いた、よりクリエーティブな仕事ができるようになりました。法律をつくるためのクライアントは派閥じゃなく有権者ですから。

 日本の女性政治家にとって、小池百合子さんが都知事、蓮舫さんが民進党代表になったことは大きなターニングポイントだと思っています。総理に任命されて就任する女性閣僚と、選挙でポストを勝ち取った彼女たちは全く違う。みんな同じように並べるけど、全然重みが違います。ガラスの天井は大きく破れましたよね。

 でも日本の女性議員は数でいうと絶滅危惧種で本当に危機的な状況です。与党も野党も政策の壁も超えて、今は女性議員みんなが支え合わないといけないとき。社会保障政策がガタつくのも、女性議員が少ないことが関係していると思います。だからまずは数を増やしたい。有権者の皆さんも女性議員が2割に満たないこのアンバランスな現状に気づいてほしいんです。

 あ、そういえば、今も男性的な部分がありました。スーツは紳士物の生地で仕立てているんです。意外ですか? 長持ちするので、すごくいいんですよ。(構成/編集部・竹下郁子)

AERA 2016年11月14日号