アエラネットの会員などに同様の質問をしたところ、「上限は8千円。満足すれば多少の値上げは気にならない」(女性、39)「1万5千円くらいまでなら行ってしまうかも」(女性、35)「混雑が解消されるとみて2万円」(男性、39)などの回答が寄せられた。

 消費者は、モノやサービスの値上げには、人件費や原材料の高騰など正当な理由があっても厳しい反応を示すのが普通だ。感情的に許せないのだ。ただ例外もあるという。博報堂コンサルティングの小宮弘行さんは、こう説明する。

「希少で、自分にとってこだわりのものや独自性のあるものなら、値上げも受け入れられます」

 地方在住の幼稚園教諭の女性(30)にとっては、TDRは唯一無二のストレス発散の場だ。「女だけの職場で人間関係が難しい。ディズニーは、現実のめんどくさいことが忘れられる特別な空間ですね」と話す。地元では保護者に会ってしまうこともあって、休日も完全には気を抜けない。

「その点、TDRでは完全に日常を切り離せる。パレードやイベントの雰囲気を楽しんでいるので、アトラクションの行列もあまり気になりません」と女性。「次のTDR」を楽しみにすることで、忙しい時期も乗り切れる。今回の値上げも全く気にならないという。(アエラ編集部)

AERA 2016年4月18日号より抜粋