そんなコトリスラボで自然発生的にできたのが、ワークシェアの仕組み。あるデザイナーが子どもの病気で仕事ができないというときに、他のデザイナーがピンチヒッターに立ったのがきっかけだった。プロジェクトベースで何人かが集まり助け合えば、不測の事態が起きても品質やスケジュールを維持できる。次の仕事にもつながる。

 守野さんらは、昨年10月、フリーランスクリエイターウーマン(FCW)と名付けたチームを発足させた。個人では担い切れない大型案件も、これで受注できる。いま、チームには、商品の企画・立案から携わってほしいという地元企業の依頼が舞い込む。今年は海外の仕事にもチャレンジしたい。

 地方での起業は、狭い地域で仕事を奪い合うことになると思われがちだが、コトリスラボを運営するビズホープ社長の寺田望さん(33)は力説する。

「実は未開拓の市場が広がっているのです」

(アエラ編集部)

AERA  2016年3月28日号より抜粋