甘利氏の大臣辞任は「経産省内閣」終わりの始まりか (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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甘利氏の大臣辞任は「経産省内閣」終わりの始まりか

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AERA#安倍政権
辞任会見で指名されて質問したのは甘利氏の「番記者」が大半で迫力不足。スクープした週刊文春の記者は手を挙げても当ててもらえなかった(撮影/山田厚史)

辞任会見で指名されて質問したのは甘利氏の「番記者」が大半で迫力不足。スクープした週刊文春の記者は手を挙げても当ててもらえなかった(撮影/山田厚史)

 第2次安倍政権で経済の司令塔に担がれたのは二つの理由がある。一つは「原子力ムラ」の期待。福島での事故で窮地に立った電力業界と経産省は、原発復活を安倍政権に託した。今井氏が官邸に入り、経済財政諮問会議を甘利氏の担当にして政策の主導権を握ったのである。

 民主党政権を裏で支えたのは財務省だった。政権運営が未熟な民主党を操り、自民・公明・民主の3党合意で消費税増税を決めたのは財務省の腕力だった。

 ところが、安倍政権は一転、財政より企業を重視する経産省を重用した。経産官僚は甘利氏を「業界事情をよく理解された政治家」と評する。使いやすい大臣というわけだ。重要案件を甘利氏に集中させれば、経済政策の主導権を握れると踏んだ。

 役所と業界に支えられ、舞い上がった末路が今回のスキャンダルだった。2度にわたって業者から現金50万円を受け取った。

紙袋に手土産と一緒に入ったのし袋を「適正に処理して」と秘書に命じたという。客が現金を置いて帰れば、黙ってもらうのが政治家なのだろうか。

 さらに、公設秘書は500万円を受け取りながら300万円を「費消した」(甘利氏)。つまり個人的に使ってしまった、というのである。

 今回の辞任劇を「経産省内閣の終わりの始まり」と評する声も永田町からは聞こえる。 大企業ばかりがもうける経済政策に、中小企業から悲鳴が上がる。成長路線は空回りし、安倍首相は分配を口にするようになった。だが蜜月関係にあった財界も、官邸が要請する「ベア」には二の足を踏む。TPPを一人で抱えてきた大臣の失脚も、これから始まる国会審議に影響するのは必至だ。

AERA 2016年2月8日号


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